2021年 4月 22日 (木)

世界に冠たる国立天文台・野辺山宇宙電波観測所の財政危機を密着取材した佳作
<カネのない宇宙人~閉鎖危機に揺れる野辺山観測所>(NHK BS プレミアム)

   「ザ・ベストテレビ2020」として集中的に放送されたテレビ界のトップ受賞作の中で、テレビ部門ギャラクシー大賞を取ったテレビ信州のドキュメントである。人類史上初、ブラックホールを撮影したり、数々の功績を上げた有名な長野県・八ヶ岳にある国立天文台、野辺山宇宙電波観測所が、経費削減で閉鎖の危機に瀕している。
   毎年1%ずつ予算が削減され、研究者を減らさざるを得ず、職員が次なる就職先を探す日常がまず描かれる。第13代所長は59歳の立松健一、ちじれっ毛のユーモラスな風貌の主。明るい姿とは裏腹に日夜予算削減の苦労と闘っている。国は経済効率1本やりの上に、巨大な(直径45m)観測器を使って軍事目的の情報収集を求める。
   かつての原子力もそうであったが、科学の軍事利用が日本の第2次大戦まっしぐらの参戦という悲惨な過去を生んだ。彼ら科学者はこれには抵抗する。当然である。よくぞこの作品を大賞に選んでくれた。初日の『おじさん、ありがとう』(フジテレビ・バンエイト)ほかの受賞作品についても、鑑賞を共にするゲストたちが語り合う。
   司会は三宅民夫、中山果奈。他に森達也(映画監督)、梯久美子(作家)、ホーキンス阪大大学院教授ら。森達也のコメントがもっとも聞き応えがあった。リモートでテレビ信州の制作者・高柳峻が登場して密着取材の制作意図などを語った。優れたテレビ作品をNHKが場を提供して集中放送するのは誠に喜ばしいことである。(放送2020年11月13日14時52分~)

(黄蘭)

採点:2
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