竹井千代(毎田暖乃)は大阪・道頓堀の芝居茶屋「岡安」で働くことになった。呼び名は「おちょやん」。道頓堀では茶屋で働く見習いの女の子をそう呼んでいた。掃除、洗濯、食事の用意、お使いなどもこなさねばならない。
千代は女将・岡田シズ(篠原涼子)の使いの帰り、何日も洗っていなかった髪を通りの天水桶で洗った。ずぶぬれのまま歩いていると同年代の男の子に話しかけられる。千代を河童だと思ったようだ。
その翌日、岡安に初代天海天海(茂山宗彦)が率いる「天海一座」がやって来た。昨晩話しかけてきた男の子もいる。天海の息子・一平(中須翔真)で、一座では子役として活躍していた。
「酒のみで女好きの父親が大嫌いだ」という一平に、千代は共感した。学校に行かせてもらっていないというところも共通点で、2人は仲良くなる。
芝居小屋をのぞいた千代は、女優・高城百合子の美しさに魅了される
初めて芝居小屋をのぞいた千代は、『人形の家』のヒロイン役の高城百合子(井川遥)に魅了される。台本を手に入れた千代は字の勉強を始めた。
ある晩、天海は千代に、一平のことで胸を痛めていることを明かす。本当は息子想いの父親だと知り、千代は羨ましく感じる。しかしその後、天海は倒れて亡くなってしまう。
道頓堀を取り仕切る「鶴亀株式会社」の社長・大山鶴蔵(中村鴈治郎)は一平を二代目天海天海にふさわしい役者に育てるよう、座員たちに命じる。
同じころ、千代はテルヲが借金を重ねたあげく一家で夜逃げしたことを知る。「うちとあいつらは赤の他人さけ」と言い放つが、内心は弟のことが心配で仕方なかった。
その日の夕方、千代は時間通りに使いを果たせず、シズからクビを言い渡される。
行くあてもないまま神社で雨宿りをしていると、先代の女将でシズの母・ハナ(宮田圭子)が迎えにきた。
千代は岡安に戻り、自分の境遇を打ち明けて「ここに置いてほしい」と頭を下げた。そこに千代を捜索していた巡査が顔を出す。「この子に間違いないか?」と聞く巡査に、シズは言った。「間違いのう。うちのおちょやんどす」。千代は初めて、シズから「岡安のおちょやん」と認められた。(NHK総合あさ8時放送)