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<よるドラ「閻魔堂(えんまどう)沙羅の推理奇譚(きたん)>(NHK総合)
中条あやみ、初主演ながら大健闘! 斬新な冥界のセット、映画顔負けのクオリティ。潤沢な制作費のNHK、ますます民放と差が...

   30分1話完結のオムニバスなのでテンポもよく、とても見やすいドラマだ。

   NHK大阪制作。ロケ地も大阪近郊で行われており、土地勘の分からなさがかえって新鮮でいい。ドラマはどうしても東京中心で作られていて、猥雑な場所は新宿歌舞伎町、デートにはみなとみらい、などとどうしても既視感があるので......。第6話で大阪府警の刑事を演じた村上淳の関西弁も新鮮だった。ちなみに主演の中条あやみも大阪出身だが、役柄上、大阪弁が聞けなかったのは残念。

   その中条が演じる沙羅は閻魔大王の娘。死者を天国に送るか地獄行きかを決めるあの世の裁判官で、彼女の元にやってくるのは、誰かに殺され、現世に未練を残したままの亡者たちで、そんな彼らに沙羅が「じゃあゲームする?自分自身で推理して、犯人を見事言い当てることができたら、生き返らせてあげます。名付けて『死者復活・謎解き推理ゲーム』。不正解なら地獄に落とします」と持ち掛ける。

  • NHK番組公式HP
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刑事役・上川周作の演技もすばらしかった

   「大失敗から学びなさい! あなたに何が足りなかったかを」と迫るドSっぷりも、小悪魔的でチャーミング。モデルの印象が強い中条あやみだったが、初主演ながら大健闘。ある種ファンタジーでもあり、それが彼女にとてもハマっている。代表作になるのではないだろうか。色鮮やかな独特な衣装を着こなしているのもさすが。9頭身は伊達じゃない。今期ドラマで言えば「ルパンの娘」の深田恭子にも匹敵するベストドレッサー賞モノだ。

   衣装だけではない、冥界のセットも斬新で、映画も顔負けのクオリティ。潤沢な制作費を使えるNHKならではで、これではますます民放ドラマと差がついてしまうのでは、と危惧する。

   第6話では村上もよかったが、後輩刑事・森野智也役の上川周作の演技が素晴らしかった。調べてみると、劇団「大人計画」所属の俳優だった。イケメンだけではドラマは成立しない。彼のような若手バイプレイヤーが育ってこそ、ドラマに厚みが出て面白くなるのだ。注目しておきたい俳優だ。(土曜よる11時30分~)

くろうさぎ