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新型コロナ無症状でも15人死亡していた! 7.6%にあたりいずれも60代以上

   昨日の12月10日(2020年)、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が初めて600人を超えた。全国でも過去最多の2971人。東京以外でも千葉、埼玉、山形、岐阜、高知、大分、佐賀で最多を更新。「勝負の3週間」でも感染は減らず、厚生労働省アドバイザリーボードの脇田隆字座長は「感染拡大を抑止できない状態が続けば公衆衛生体制や医療提供体制全体の危機を招く可能性がある。これまでの対策が十分な効果を得られているとは言えない状況」と述べ、危機感を訴えた。

   そんな中、さらに不安なニュースを朝日新聞が報じた。新型コロナに感染し7月以降に死亡が発表された198人を分析したところ、7.6%にあたる15人が陽性判明時に無症状だったというのだ。いずれも60代以上で、15人中13人に基礎疾患があった。

   テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「現在は、感染者が増え、本来は入院したほうがよい患者も自宅にいて十分なケアを受けていない。東京都では100人に1人は無症状感染者がいると考えなくてはいけない状況で、感染はそこから広がっていると考えるべき。そこが新型コロナの一番の問題点。ずっと訴え続けているが、無症状感染者を見つけないと収まらない」とコメント。

"勝負の3週間"とは何だった?

   厚労省アドバイザリーボードの釜萢敏委員は「"勝負の3週間"についてはメッセージとして伝わっていない。"今のやり方ではだめだ"という評価は提言に盛り込まれると思う。GoToについてはもう一段抑制をかけていただきたい。データでは若い人の移動で感染が広がっており、65歳以上が動いて広がっているのではない」と指摘。武藤香織委員は「年末年始に相当おとなしく過ごしてもらわないと年明け後、今より悪い医療体制になりそう」と述べた。

   スタジオゲストの日本医科大学の北村義浩特任教授は「これまでは専門家はマイルドに話していたが、今は対策が不十分だと言っている。最悪のシナリオは脳梗塞や心筋梗塞などが診てもらえなくなる状況だ」と話す。

   作家の吉永みち子も「強いメッセージは少し前から発信されている。分科会になってから専門家の意見がほとんど採り上げられていない気がする。"勝負の3週間"について発信が明確ではなかった。結局勝負できなかった」と政府の無策を批判。

   玉川徹は「政府が出すべきメッセージは精神論ではなく具体的対策。4~5月に8割減、ステイホームと訴え感染をある程度抑えたが、今のほうが状況は悪いのに何もやっていない」と訴えた。

   今日開かれる政府の分科会では「ステージ3」を"感染拡大継続""感染高止まり""感染減少"の3つに細分化する提言が出る見込みだが、これについても、北村特任教授は「ステージの分け方が破綻していることの表れ。苦肉の策の手直し。ガラッと大幅に変えてもいいのではないか」と指摘した。