1923(大正12)年。17歳の竹井千代(杉咲花)は、「岡安」のお茶子として一人前に働きながらも、時間さえあれば芝居をのぞき見するという毎日を送っていた。
ある日、女将・岡田シズ(篠原涼子)は千代に、「18歳になって年季が明けた後はどうしたいのか」と問う。千代は考え込んだ。
そんな折、千代はかつて憧れていた女優・高城百合子(井川遥)に出会う。何かから逃げているようだ。千代はシズの母・ハナ(宮田圭子)の助けを借り、百合子を2階の座敷にかくまう。ボロボロになった『人形の家』の台本を見せると、百合子はセリフを読み上げていった。感動する千代に、百合子は「そんなにお芝居が好きなら自分でやってみたら?自分の好きなことをやるべきよ」と言い残し、岡安を後にする。
シズはかつて恋人だった歌舞伎役者に偶然出会い...
一方、シズは「えびす座」に出演していた歌舞伎役者の早川延四朗(片岡松十郎)とばったり会う。2人には24年前、シズがお茶子修行中だったころに駆け落ちしようとした過去がある。そんな2人の様子を見ていた「福富」のお茶子は、シズが密通しているという噂を道頓堀十に広めてしまう。
千代は延四朗から託された手紙をシズへ渡そうとするが、シズは断固として受け取らない。「手紙を読めば会わずにはいられなくなる」と言うのだ。
延四朗の舞台の千秋楽の日、千代は、シズに延四朗に会いに行くように説得した。年季明けのことを考えた結果、「自分がやりたいことはシズへの恩返し」と気付いたからだ。
千代に背中を押されたシズは、延四朗に感謝の気持ちを伝えに行く。2人が悔いのない別れを果たした1か月後、延四朗の訃報が届いた。重い病気を隠していたのだった。
さて、翌年、晴れて年季が明けた千代は「岡安」で働き続けることを決意していた。そんな時、父・テルヲ(トータス松本)が現れて――。
(NHK総合あさ8時放送)