今年もやってくる大晦日の『NHK紅白歌合戦』でもそうだが、近頃の地上波歌謡祭とは名ばかりで、歌謡祭ならぬ足上げパンツ丸出しダンス祭がほとんどで、歌詞の聴き分けられる歌などほとんどない。これでは歌をじっくりと聴きたい高齢者はもとより、耳のいいお客はほとんどテレビの歌番は見なくなる。廃れるわけである。
そこでBSの出番。今回は面白い組み合わせの歌唱があり、作り手が頭を絞ったのがわかった。例えば、歌うまの2人、天童よしみと細川たかしに歌わせたのが、高音の『大都会』である。ハゲもどき(失礼)のデカい額を真っ赤にして細川が高音域を出せば、歌唱力日本一の天童が余裕しゃくしゃくで合わせる。聴きごたえ十分。
赤いスーツのトシちゃん、田原俊彦が8分間も踊りっぱなしで持ち歌を歌う。歌は相変わらず下手くそだが、エンターテイナーである。『神田川』の大ヒットはあるが、ルックスはいささか「あっち向いてて」と言いたくなるブ男の南こうせつもギターを持って奮闘。NHK御用達みたいな氷川きよしや水森かおりらが出ていないので助かった。願わくば、独特の歌うま、渡辺真知子が聴きたかった。
司会の関根勤と並んでいたお嬢さんアナウンサーは美人である。TBSというと、いつも人気の某男性アナが出てくるが、仏の顔も3度。どんどん局アナの別人を出せ。NHKのように、視聴者からの歯の浮くようなリクエスト手紙の朗読だけは、今後もやめてほしい。(放送2020年12月4日21時~)
(黄蘭)
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