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コロナに感染、要介護の家族が濃厚接触者に...療養中の生活はどうする? 事前の備えは? 駒村多恵キャスターの経験から学ぶ

   きのう16日(2020年12月)に引き続き、駒村多恵キャスターの新型コロナウイルス感染の経験談が17日も紹介された。

   駒村キャスターの母(82歳)は要介護5で、自分で体を支えられず、自力で歩けない。ベッドから車イスへの移乗、トイレ介助、歯みがきなど、生活全般の介護を駒村キャスターが行っていた。

   駒村キャスターの感染によって母は保健所から濃厚接触者と認定された。療養中の居場所について、保健所からは「コロナ感染者を受け入れている病院に一緒に入院する」「母は病院に、駒村キャスターはホテルに入る」「2人とも自宅で過ごす」の3つの選択肢を提案された。

   駒村キャスター「自宅で母の面倒を見てあげたいのはやまやまなんですが、感染リスクが高くなります。重症化しやすいので、できれば避けたいと思いました」

   同じ病院に入院できるか、定期的に通院している大学病院に問い合わせたが、駒村キャスターが軽症のため入院対象外だった。母だけ病院に入れないかと、訪問診療を利用している病院に問い合わせると、たまたまベッドに空きがあり、母を入院させることができたという。

   東洋大学の高野龍昭准教授「お母さんが日頃かかっている訪問診療の先生の勤務先の病院に入れたのは非常によかったと思います。つながりがある病院なので、高齢者にとっては比較的慣れた環境だと思いますし、治療の状況も上手くつなげる。高齢者の場合、『リロケーションダメージ』というんですが、住んでいる環境や周りの人、受けているケアが変わることによって、それまでできていたことができなくなったり、認知症が悪化したりする。そういうダメージを防ぐためには一番いい選択だったと思います」

防護服がある介護タクシーが見つからない! 搬送サービス探しに四苦八苦

   母の入院は無事に決まったが、今度は濃厚接触者の母をどう搬送するかという問題が浮上した。保健所からは濃厚接触者に対応しているタクシー会社を紹介されたが、「私の母は自分で車に乗り降りすることができませんし、体がぐらぐらするので一人で座っていることもできないんです。付き添いが必要だけど、私は陽性なので家から一歩も出ることができないので、難しいとなりました」(駒村キャスター)

   ケアマネージャーに付き添ってもらうという選択肢も提示されたが、濃厚接触者の介助をすると2週間仕事ができなくなるという規定があると言われ、これもできず。介護タクシーを探すも防護服がないと断られ、ケアマネージャーと手分けして、防護服があり車イス対応もしれくれる民間の搬送サービスを探したところ、午前中の早い時間帯なら受けられるという一社が見つかったという。

   駒村キャスター「すごく予約がいっぱいで、病院の入院時間は10時と決まっているんですが、それじゃもう難しいということで、入院時間を繰り上げてもらってようやく入ることができたんです」

   博多大吉キャスター「ラッキーが続いていますけど、裏を返せばギリギリ間に合ったんですね」

   高野准教授「コロナ陽性の人の場合は保健所や行政機関が搬送することがルールで決まっていますが、濃厚接触者や陰性の方の場合、誰がどのようにどう運ぶのかは法令上何も決まっていない、すっぽり抜け落ちているところなんです。だから非常に苦労する部分なんですが、今は介護タクシーの会社や民間の救急搬送の会社で、コロナに感染した陽性者でも濃厚接触者でも感染対策をバッチリ取って搬送できるという会社が増えているので、あらかじめ調べておくことをおすすめします」

事前に荷物をまとめておこう! 薬をはじめ本人が安心できる服や小物を

   コロナに感染する可能性を考え、介護者は事前に備えておくよう駒村キャスターが勧める。

   駒村キャスター「私はケアマネージャーさんと一緒に、もし私が感染したら母はどうすればいいかシミュレーションしていました。まず、母の荷物をまとめていました。薬や介護用品は特に大切です。医療機関の連絡先の一覧もまとめていました。濃厚接触者でも預かってくれるのか、介護ケアをどの程度してくれるのかもあわせて確認しておくと安心だと思います。そして複数の搬送サービスを調べておく。介護タクシーの会社はたくさん調べていたんですが、防護服対応のところは調べていなかったんです。ここが抜け落ちていたのはちょっと反省しています」

   高野准教授「事前準備に一つ付け加えると、自治体によっては家に取り残される介護が必要な高齢者や障害者の方を、医療機関や福祉施設で預かってくれる仕組みを作っているところがあるので、下調べしておくといいかもしれません。準備するものは、薬やお薬手帳、リロケーションダメージ関連だと本人が安心できる洋服、身の回りの小物を持っていくことも考えた方がいいです。あとは日常生活、例えば睡眠リズムはどうか、移乗や歯みがきはこうやっている、本人は昼間こういう活動をするのが好みだとか、そういうことを場所が変わった時に先方の介護従事者にわかるように取りまとめておくのが重要だと思います」

   駒村キャスター「お子さんがいる家庭もいざという時困ると思うので、シミュレーションしておいたらいいんじゃないかなと思いました」