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『M-1』王者マヂカルラブリー、しゃべりなしのネタに「あれって漫才なの?」「見取り図がかわいそう」とネットざわつく!

   トーナメント形式で漫才日本一を決める『M-1グランプリ2020』(ABC・テレビ朝日系)の決勝が20日に生放送され、野田クリスタル(34)と村上(36)のコンビ「マヂカルラブリー」が優勝、16代目王者に決定した。史上最多となる5081組の頂点に立ち、賞金1000万円を獲得した。

   最終決戦に残ったのは「見取り図」「マヂカルラブリー」「おいでやすこ」の3組。マヂラブは、揺れる電車で吊り輪につかまらずに絶えるネタで、野田が床をのたうち回る芸を見せ大笑いをとった。審査ではマヂラブが3票、見取り図とおいでやすこが2票ずつとなり、マヂラブに軍配が上がった。

   だが、3組のうち言葉の掛け合いの漫才を披露したのは見取り図だけ。おいでやすこは元々ピン芸人同士で昨年組んだばかりのコンビで、ボケ担当のこがけんがバースデーソングを歌いまくるネタで、しゃべりの掛け合いはほとんどなかった。こがけんは結果発表前にマイクを向けられ「僕らはピン芸人なんで、技術では漫才の人には勝てないと思って、とにかく全力でやりました」と話した。

  • テレビ朝日「M-1グランプリ2020」番組公式サイトより
    テレビ朝日「M-1グランプリ2020」番組公式サイトより
  • テレビ朝日「M-1グランプリ2020」番組公式サイトより

富澤「転がってて優勝できるんだったらすごいですよね」

   結果を受け、審査員の富澤たけし(サンドウィッチマン)は「転がってて優勝できるんだったらすごいですよね」と本質をついて笑わせたが、違和感はネットにも広がり、番組終了後「あれは漫才なのかな」「キングオブコントならわかるけど」「漫才の基本は言葉の掛け合いだ。さすがにこのスタイルが優勝するのはどうかと思う」などと酷評が広がった。

   7人の審査員の票が割れたのも今回の特徴で、終了後の審査員コメントではそれぞれが「しゃべりなし」について触れた。マヂラブに入れたのは、富澤のほか、立川志らく、中川家・礼二。志らくは「あれだけしゃべらずに笑いをとるというのは、やっぱり漫才を超えた喜劇なんですよね」と称えた。中川家も礼二が一人芸の面白さで売ってきた芸風は似ており、「ああいうネタですけど、漫才やり続けてください」と評した。

   見取り図に入れたオール巨人は「三者三様だった。しゃべり漫才と自分の世界での漫才と。楽しく見たが、僕はやっぱり漫才師だから、しゃべりを中心にみてしまいました」。

   松本人志と上沼恵美子はおいでやすこに票をいれたが、松本はこの結果に「いまでも俺悩んでいる。これでよかったのかなあと思っている」

上沼恵美子は「よかったね」 野田「僕らのは漫才です」とキッパリ

   だが、マヂラブが審査員たちを大笑いさせたのは間違いない。アップにされた松本は涙を流して笑っていたし、司会の今田はネタ終了後もしばらく笑い続けて次の紹介が遅れた。

   マヂラブは3年前のM-1で決勝に残ったが、上沼恵美子に「好みじゃない」「よう決勝残ったな」などと酷評されて最下位になっていた。優勝コメントを求められた野田は「最下位とっても優勝することもあるんで、諦めないでください皆さん」と力を込めた。

   上沼は「よかった。思っていた人がなって」と自分は違うコンビに票を入れたネタで笑わせ「ごめんね3年前。ほんとおめでとう」と言い、最後は「よかったね」と言いながら目が潤んでいるようにも見えた。

   優勝後の会見で野田は「いろんな漫才があったなと。正直おいでやすこがさんが優勝してもとんでもないことになっていたと思うし。あんまりしゃべってなかったんで僕らでよかったのかというのはありましたが、チャンピオンとして自覚を持って。もうオレはチャンピオンです。文句言わせません。漫才です、僕らのは」と堂々と宣言していた。(TVウォッチ編集部)