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東京陳情時に懇親会出て宮城県・白石市長一家がコロナ感染 誹謗中傷に「やめて」の訴え

   宮城県南部に位置する白石市は人口約3万3000人。これまでの累計でも新型コロナウイルス感染者は9人だけだった。その白石市の山田裕一市長が新型コロナウイルスに感染してしまい、同居する家族5人(両親、妻、子供2人)のうち父親を除く4人に感染し、現在は療養しているという。

   山田市長は11月16日(2020年)に、宮城・大崎市の市長らとともに上京し、国土交通省や国会議員への陳情を行い、夜には都内で懇親会を行い酒も飲んだ。11月20日に、同行した大崎市長の感染が確認され、山田市長は23日に濃厚接触者としてPCR検査を受けた結果、翌24日に感染が確認されたが、無症状だった。

   山田市長は「懇親会は10人で2時間ぐらい行われた。店の換気は良く、密にならないよう間隔も空けていた。ただ飲食の会なので食べながら会話をしたことが感染につながったのではないか」と話している。山田市長はその後、投薬などの治療はせず、肺のCT検査なども良好だったため、経過観察をしながらリモートで公務を行っていた。

   東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授は「論文では無症状者で感染を連鎖している割合が約10%、発症前で感染している人は約40%。感染の半分は症状のない人からと言われている」と解説する。

約20件の誹謗中傷、自宅にはマスク投げ捨て

   山田市長によると、感染発覚後に約20件の誹謗中傷があり、自宅にマスクが投げ捨てられていたこともあったとし、「自分が感染して、ウイルスの怖さを感じたが、誹謗中傷は慎んでほしい」と訴えている。

   寺嶋教授は「誹謗中傷があると、症状がある場合にも言えずに、感染を広めてしまうケースもある。個人攻撃は慎むべき」とコメント。

   女優の高木美保は「自分でできることは"すでに感染していて他者にうつす可能性がある"と仮定して過ごすしかない」と訴える。

   白石市が地元と言うテレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「山田市長のケースは教訓がある。東京で会食し、感染して戻ったということは、GOTOトラベル、GOTOイートで感染が広まるという意味。それにもう1つ。無症状でも感染を広めてしまうということ」と注意を呼び掛けた。