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本気感じられない菅首相の非常事態宣言 親しいオリックスシニア・チェアマンも「GoToトラベル」は失敗と批判 週刊誌販売部数(2020年前期)発表、スクープ連発で完売の週刊文春は約30万部、週刊新潮と週刊ポストの無残

   非常事態宣言が出されたが、内容を見れば、どうしても感染拡大を阻止しようという菅首相の"本気"が感じられない不十分なものである。

   これでは飲食店、特に酒を出す店に対する嫌がらせとしか思えない。午前11時から午後7時までは酒を出していいというが、菅は下戸だからだろう、昼日中から酒を呑むのはアル中か、定年退職した高齢者である。

   このような中途半端なことをやらないで、丸1か月間日本中をロックダウンする、その代わり国民一人当たり20万円ずつ即刻配るとすればいい。どうせ、コロナが終息すれば「コロナ復興税」だとか名目をつけて、増税するに違いないのだから。

   菅と親しいといわれるオリックスシニア・チェアマンの宮内義彦も、「GoToトラベル」は失敗だとポストでいっている。

   ―GoToキャンペーン」の一時停止をめぐる経緯など、コロナ対策で菅政権の支持率は大きく下落しました。

   宮内 率直に言わせてもらえばコロナ禍における経済政策、特に「GoToキャンペーン」はとても難しい政策と見ていましたね。心理的に感染拡大を助長しかねないだけではなく、景気浮揚策としては不十分だとも感じていました。 「GoToトラベル」にしろ、「GoToイート」にしろ、「支払いの何割かを国が負担する代わりに国民に積極的な消費活動をしてほしいという、言わば「消費者頼み」の発想です。

   これでは危機に瀕している事業者にとっては焼け石に水です。消費者への需要喚起も限定的だと言わざるを得ません。キャンペーンが終了してしまえば、消費者は割高感を覚えて消費しなくなるでしょう。

   今まさに国が行うべきは、人の移動を最大限制限する代わりに広範な補償を行ない、企業と社員の雇用と所得を守ることです。莫大な費用が必要にはなりますが、そこまでしなければこの難局は乗り越えられない。

   ―「GoTo」は愚策ということ?

   宮内 「Go Toキャンペーン」は、そもそもの発想が飲食業界、観光業界という「供給側」の視点に立ちすぎている。

   本来であれば消費者側の視点に立って、もっと「需要」を喚起していかなければならない。自分たちの仕事がなくなるかもしれないというときに、旅行や食事が割引になると言っても需要喚起の効果は限定的になってしまいます。

   ―具体的にどうするべき?

   宮内 昨年春に「特別定額給付金」として全国民に一律10万円を給付したことは評価しています。

   「貯金に回っただけ」との批判もあるが、もしそうだとすれば「一度しかもらえない」と考えてしまうからです。来月も支給されるとなればもっと消費に回る。

   日本は今後、需要を上げていくためにも、毎月、政府が全国民に無条件で一定額を支給するベーシックインカムの制度を取り入れてみるべきだと思います。

   「GoTo」をゴリ押しした菅が墓穴を掘ったということだろう。

退職者相次ぐ東京都の感染対策部局

   文春によると、菅の天敵である小池都知事も足元がぐらついているようだ。小池は昨年7月の知事選の際、「東京iCDC(感染症対策センター)を設立する」と公約したが、その司令塔である局長がわずか1ヵ月で、体調不良を理由に交代し、8月末には医師免許を持つ担当部長が退職してしまったという。それに文春が一般退職者について情報公開請求をしたところ、コロナ禍が始まってから76人の職員が退職していることが判明したそうだ。

   パフォーマンスばかりが先行する小池都知事に嫌気がさして辞めたのでは?

   コロナ不況といわれる中、株価だけが上がり続けているのはなぜなのか。新潮でシグマ・キャピタルのチーフエコノミストの田代秀敏がこう解説している。

   「実体経済がボロボロだからに他なりません。(中略)日銀はETF(上場投資信託)や国債を買い進めて、市中に流れるお金の量を増やしています。しかし、現在のように経済の先行きが不透明な状態だと、企業も新規事業に投資するのに慎重で、主に株式市場にお金が回ってしまう。そこで利益が出たとしても設備投資や雇用に回すのではなく、新たに別の株を買い増すため、株価だけがますます高騰し、実体経済との乖離が広がっていくのです」

   要は、日銀が日本最大の株主になり株価を吊り上げているのだ。したがって皮肉なことに、コロナが終息すれば株価は暴落するようだ。

千葉ロッテの"顔"清田育宏が「濃厚接触」

   文春は、コロナ禍の中でも不倫に勤しんでいた中村芝翫のことを報じたが、フライデーは、千葉ロッテの"顔"清田育宏(34)も同様だったと報じている。

   フライデーによれば、「A子が清田と知り合ったのは、'17年の春。開幕してすぐの頃に、複数人での食事会に呼ばれ、そこにたまたま清田も同席していたんです」(A子の友人)

   A子はモデル経験もある桐谷美玲似のアラサー美女だという。清田は食事会の後に連絡先を交換し、約1ヵ月後には遠征先に呼び出して男女の関係になった。以来、清田はA子にのめり込み、密会を重ねるようになったそうだ。

   「コロナ禍でも、毎週のように会っていました。A子が住む東京で会うこともあれば、清田が遠征先に呼び出すこともあった。遠征先に行く際は、選手が宿泊しているホテルに清田が別の部屋をとり、一晩を共にするというのがお決まりでした」(同)

   そんな2人が破局したのはコロナが原因だったという。ロッテでは昨年10月に選手ら14名の集団感染が発覚して清田も感染者の一人だった。9月29日~10月1日に札幌で行われた日本ハムとの3連戦でクラスターが起きた可能性が高いとされた。

   「ロッテは遠征中に『部外者との会食禁止』というルールを設けており、集団感染発覚後も、『ルールを破った選手はいなかった』と発表した。しかし清田に関しては、これは真っ赤な嘘。清田はこの札幌遠征にもA子さんを〝同伴〟し、連日、外食を共にしていたのだ」(フライデー)

   だが清田は球団に虚偽の報告をし、濃厚接触者であるA子が発熱したというと、「病院には行くな」「自宅用の抗原検査キットを買ってそれで検査してほしい」と頼んだというのである。

   さらなる清田の裏切りが発覚した。別の愛人がいたことがわかったのだ。愛想もこそも尽きたA子は12月3日に別れを告げた。フライデーの直撃に清田は、「(天を仰ぎフーとため息をつきながら)いや、これはちょっと......。マズいッス」「はい......。(道端に座り込みながら)あぁ、もうホントに勘弁してください」

   球団からは厳しい処分が下されるだろうが、清田は芝翫のように、5年前にもフライデーに不倫を激写されていたそうだ。もはやこの男の女好きはビョーキの域のようだ。

NHKから「嵐」に恨み噴出

   さて、昨年大晦日の紅白歌合戦は2年ぶりに何とか視聴率40%をクリアしたが、NHKからは「嵐」に対する恨みが噴き出していると、文春が報じている。

   最大の目玉である「嵐」をトリに持っていきたかったのに、ジャニーズ事務所はOKを出さず、生配信の有料ライブが優先されてしまった。ライブは8時からスタートし、生配信を中座してNHKに出演したのは9時40分ごろから約13分間だけ。

   その時は47.2%が出たものの、「嵐」がライブに戻ると視聴率はみるみる下がっていったという。あれだけ「嵐」の知名度アップに貢献してやったのに、裏切られたということのようだ。

   ジャニーズ事務所は紅白を見切って、「嵐」で稼げるだけ稼ごうと考えたのだろう。ちなみに「嵐」の生ライブの売り上げは50億円は下らないといわれるそうだ。

中年婦人誌「ハルメク」が部数2位に急上昇

   ここでABCの雑誌販売部数(2020年1月~6月発売号)が発表されたので、紹介しよう。

   雑誌全体の第1位は「家の光」で42万部だが、通信販売で書店売りのない中年婦人誌「ハルメク」が2位に急上昇している。これはニュースだ。32万部だが、前期比105.3%、前年同期比では何と129.33%だ。コロナ禍で書店へ行く機会が減ったことがあるとしても、このご時世で、しかも通信販売の雑誌が部数を伸ばしていることに、出版社は思いを致すべきだろう。

   そのうち、Amazonでしか買えない通販雑誌というのが出てくるのではないか。

   週刊誌はどうか。週刊文春は今年前半スクープを連発して完売が続いたから、約30万部で、前期比107%と部数を伸ばした。天晴れである。だが、30万部ギリギリだから、後半は30万部を割り込むかもしれない。

   週刊現代は約20万部で前期比は99.11%。これも健闘といえるだろう。無残なのは週刊新潮と週刊ポストだ。新潮は約16万8000部で、前期比90%。ポストは約15万9000部で、前期比86.23%。

   女性セブンが約17万8000部、女性自身が約16万4000部だから、この数字がいかに危機的か分かるだろう。

   フライデーは約7万3000部、週刊朝日が約6万部、FLASHは約4万8000部、サンデー毎日は約3万1000部である。前期比を伸ばしているのはAERAだが、それでも部数は約4万8000部。週刊大衆が約8万2000部だから、この5誌より上位にいる。

   前期比を大幅に伸ばしているのが宝島社が発行する40代女性ファッション誌「 GLOW(グロー)」である。前期比167.56%で約18万8000部。付録が部数増に結びついているのだろうが、宝島恐るべしである。

   文藝春秋が約21万6000部というのは哀しい。こうしたサロン雑誌は読まれなくなっているのだろう。

   健闘している大衆を久々に買ってみた。いい意味で戦後出されたカストリ雑誌の雰囲気を色濃く残している。これと実話を買うと、今でも、人目につかないところで読みたくなる。

   ヘア・ヌードがテンコ盛りだ。その中に袋とじ「"ゆづか姫"こと新藤加菜が『アベノマスクブラを外した!』」というグラビアとインタビュー記事がある。

   彼女は「NHKから国民を守る党」の広報室長を務めていて、昨年4月に東京都北区の補選に出馬した際、アベノマスクをブラジャーにした選挙ポスターを出して話題になったそうだ。こんなマスクの使い方もあるんだ。知らなかったが、なかなかの美形で、カラダも超SEXY。

   インタビューによると、2年間海外留学して英語を身に着け、帰国子女枠で早稲田大学法学部に入学したという。動物愛護活動のために2年間休学したそうだ。現在27歳。

   何でも、次の衆院選では、自公分裂の可能性がある広島3区から出馬することが決まったという。当選はともかく、話題になることは間違いない。

   最後にAERAから。福島第一原発から出る汚染水の海洋放出が現実味を帯びてきた。地道に風評被害を克服し、福島で獲れた魚を買って貰おうと努力してきた漁師たちから、悲鳴のような声が上がっている。

   原発の敷地には、現在約1000基もの汚染水を入れたタンクがひしめき合っているが、これを海に放出するという案が政権内で進んでいるのである。

   漁師の小野春雄(68)はこういっている。

   「今も福島の魚は事故前の2割から3割安い。ここでまた汚染水を海に流すと、消費者は福島の魚は買わないべ。それを心配している。そうなるとわれわれ漁業者は耐えることはできない。子どもや孫たちに、ここの海で働いてくれといえないべ」

   朝日新聞DIGITAL(1月4日 5時00分)はこう報じている。

   「東京電力福島第一原発の敷地内にたまる処理済み汚染水の処分について、朝日新聞社の世論調査(郵送)で尋ねたところ、政府が検討する海洋への放出には『賛成』は32%にとどまり、『反対』が55%だった。放出による水産物への風評被害の不安は、8割以上が『感じる』と答えた」

   私は、海洋放出に賛成するという人が32%もいたことに驚く。国の無策のツケを福島に押し付けてはいけない。それほど安全な汚染水なら、東京湾に流したらいいではないか。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。