2024年 4月 19日 (金)

菅義偉首相という"国難" コロナ禍の生活苦に「最終的には生活保護」と暴言! 調整苦手な河野・ワクチン担当相では何かが起こりそう

   国会の論戦を聞いていて、われわれはコロナ禍と闘っているだけではなく、菅義偉という"国難"とも闘わなくてはいけないということがよく分かった。

   立憲民主党の蓮舫議員が、自宅療養中に亡くなったコロナ患者が昨年12月以降、27人に上ったと質問したが、菅首相は「大変申し訳ない思いだ」とだけ答弁した。

   菅首相の心のこもらない薄っぺらな答弁に蓮舫は、「そんな答弁だから、(国民に首相の)言葉が伝わらない」というと、菅首相は「少々失礼じゃないでしょうか」と色をなして反論した。

   同党の石橋通宏議員が、コロナ禍の下で収入を失い路頭に迷い、命を落とす人が増えているが、これでも自助を求めるのかと問うと、菅首相は、「最終的には生活保護という仕組みがある」と、驚くべき答弁をしたのである。

   蓮舫は、「生活保護に陥らせないのが首相の仕事ではないか」と批判したが、当然である。さらに付け加えれば、菅という人間は生活保護の申請条件がどのようなものなのか、申請に行っても、窓口で無慈悲に追い返されるケースが多いことなど、頭の片隅にもないのだろう。

   夜のニュースやワイドショーをいくつか見たが、この発言を真っ向から批判したところはなかったように思う。だが、これは池田隼人元首相が蔵相時代、コメの値段が高騰していることに対して庶民の怒りが高まっている最中に、「貧乏人は麦を食え」と暴言を吐いたが、それに匹敵するものである。

与党幹部2人が銀座で夜遊び

   上がこの程度だから、その下っ端たちが更に始末が悪いことは、自明の理である。

   永田町の「マツジュン」こと自民党の松本純元国家公安委員長(70)が、通常国会が召集された1月18日夕方から、中央区内にあるイタリア料理店、銀座2軒をはしごして、11時過ぎまで飲み歩いていたと、新潮が証拠写真と記事を掲載している。

   このイタリアンはマフィアのラッキールチアーノの末裔がやっているという「ウ・パドリーノ」だろう。松本議員の親分で「ギャングスタイル」が大好きな麻生太郎副総理もよく顔を出すそうだ。

   マツジュン、ここへ女性2人(新潮の描写だと、どうやら銀座のママとホステスのようだが)と入り、3時間近く食事をしたようだ。

   女性2人が先に出て、松本議員はタクシーで銀座へ。1軒目は滞在時間30分ぐらい。次に入った店では2時間も滞在したそうである。タクシーを拾って議員宿舎に向かったのは11時20分頃だった。

   新潮に直撃された松本議員は、イタリア料理店へ行ったことは認めたが、銀座へ行ったことは認めない。だが、当夜の写真を見せると観念したのだろう、1軒目の銀座の店では、これからどうするかを相談されたが、酒はまったく飲んでいないと話す。

   2軒目は、どういう状況かと見に行ったので、酒は1、2杯飲んだが、「これは、お茶代わりで出てきたようなもので......」と苦し過ぎるいい訳。

   新潮とは別だが、公明党の遠山清彦元財務副大臣も1月22日に銀座のクラブで夜遊びしていたことが発覚して、謝罪に追い込まれた。

   五輪開催がほぼ不可能になって焦っている菅首相は、コロナ特措法と感染症法の改正案を成立させようとしているが、その中身は「政治の怠慢や判断の甘さを棚に上げ、国民に責任を転嫁し、ムチで従わせようとしている」(朝日新聞1月16日社説)ものである。

   28日、感染症法の改正案について自民党は、政府案に盛り込んでいた刑事罰の規定をすべて削除する方針を固めたようだが、まだ安心はできない。

   特措法に盛り込むべきは、コロナ感染が収まらない中で会食した国会議員の名前を公表し議員歳費を召し上げる、それでもいうことを聞かない者は議員辞職を求めるようなものではないのか。

   国民にこれ以上の自粛を求めるのなら、国会議員自らが率先して範を垂れるべきであるこというまでもない。そうでなくては、国民の不満はますます高まるばかりである。

   菅首相、9人高級フグ会食が発覚した石破茂、今回の議員たちなど、永田町村の惨状を見ると、秦野章元法務大臣がいった「政治家に徳目を求めるのは、八百屋で魚をくれというのに等しい」という言葉を思い出す。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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