元甲子園優勝球児はなぜ強盗に転落した?! 懲役5年の実刑判決に、高校の監督「私が支える」

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   2017年の夏の甲子園で優勝した埼玉県の花咲徳栄高校でキャプテンを務めていた元球児ら4人が、2019年4月に千葉県八街市で夫婦の住宅に押し入り、夫の頭をバールで殴って全治3か月の重傷を負わせたなどとして、強盗傷害などの罪に問われていた。検察側は懲役6年を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求めていたが、千葉地裁は2月4日(2021年)の判決公判で「自己の意思で参加し、関与を過少に報告する姿勢も見られ、反省が十分に深まっているとはいいがたい」として「懲役5年」の判決を下した。

大学野球部でしごき受けて中退

   裁判で被告は野球と疎遠になっていた理由を、こう証言している。「毎日夜の2時3時までコンクリートの上に正座させられ説教された」「雨の中、傘もなしに買い出しをさせられた」「タバコの火で根性焼きをされた」。こうした先輩のしごきを受け、1年生の9月に退部、大学も中退していた。その後、引きこもっていた時に友人から「人のいない家から金を運ぶ。報酬は10万円から100万円」と持ち掛けられ、犯罪かもしれないと思っていたが仲間に加わったという。

   法廷では花咲徳栄高校野球部の岩井隆監督が情状証人として出廷し、「在学中に電話で相談を受けたが、『耐えろ。そういう世界もある』と言った。その後連絡が途絶え、逮捕されたと聞きまさかと思った。私がもう少し寄り添っていればこんなことにはならなかった。まだ20歳そこそこで、支えが必要。私が支えたい」と話した。判決を聞いた岩井監督は、自分の大学時代の後輩が社長を務める不動産会社に被告を紹介し、罪を償った後は働かせるという。

   キャスターの加藤浩次は「高校球児が大学に進んで大変なのはわかるが、悪事に手を染めるというのはまったくの別問題」と厳しく批判。

   菊地幸夫弁護士は「被害に遭った男性は重症。凶悪犯で言い訳はできない。ずっと野球をして社会経験が十分とは言えないかもしれないが、周りが支えようとしている。服役後、復帰できると思う。また被告家族は被害者に500万円弁償をしており、罪を償ったうえで社会に貢献してほしい」とコメントすると、加藤も「たしかにそうですね」とうなずいていた。

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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