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日本が確保したコロナワクチンは第1便の約20万人分だけだった! 菅首相に忖度したNHKキャスター人事 新聞が東京五輪中止を求めないワケ

   結局、東京五輪の組織委会長は森喜朗から、森を師と仰ぐ橋本聖子に替わっただけだった。森の高笑いが聞こえる。

   菅の長男・正剛らと会食中の音声を文春に公開された総務省の秋本局長は、自分の声だと認め、その中で小林史明議員を揶揄した発言を衆院予算委員会で謝罪した。

   総務省は秋本と湯川審議官を更迭したが、これで終わりにしてはいけない。

"ワクチン確保戦争"で敗北した日本

   さて、医療従事者へのワクチン接種が始まった。だがテレビで見る限りは、人数は多くないようである。

   このペースで大丈夫なのか? そう思っていたら、週刊朝日によると、「国民に確実に供給できるのは2月12日にファイザー社から成田空港に届けられた第1便の約20万人分だけで、それ以降は不透明です」(政府関係者)。つまり、菅政権はワクチン確保に失敗したため、これからどれだけ入荷するのか分からないというのである。

   なぜなら、日本が結んだ契約は供給期限や供給量などの大枠しか定められていないから、6月末までに全国民分を確保することなどとても無理なのだそうだ。

   当初は確かに、ファイザーとは6月末までに1億2千万回分という条件だったが、欧州やアメリカが輸出に難色を示したため、ファイザー側から「厳しい」といわれ、1月20日に合意したのは「年内に1億4400万回分」と、時期を半年も後ろにされてしまったというのだ。

   これでは、各自治体から「ワクチンがどれだけ確保できるか分からなければ、準備を進められない」と苦情が出るのももっともだ。この報道通りだと、日本は"ワクチン確保戦争"でも敗北必死のようだ。新聞、テレビはこのことについて何も報じないが、早急に厚労省や河野担当大臣から事実を聞き出し、国民に知らせる義務があるはずだ。

   さらにワクチンについて、副反応や効果がどれだけ続くのかの情報も極めて少ない。

   現代は、先ごろ、イギリスの病院で、新型コロナウィルスのワクチンを接種したという日本人看護師(女性・56歳)にインタビューしている。

   この看護師が接種したのはファイザーのワクチンだったという。

   「製薬会社を選ぶことはできませんでした。接種後は、副反応があるかもしれないので、病院で15分ほど待機していましたが、特に問題はなく、自宅に戻りました。ところが次の日の朝、ひどい倦怠感が襲ってきたのです。

   実は私は昨年の4月にコロナに感染したのですが、それとまったく同じような症状でした。めまいと息苦しさが続き、二日間はベッドから起き上がれませんでした」

   彼女は2回目の接種を受けるかどうか迷っているようだ。

   私のように糖尿病がある後期高齢者はなおさらである。

   「持病の中でも特に『糖尿病』の人は、コロナに感染した場合、症状が重篤化することはよく知られているが、そもそも、高齢でかつ糖尿病の人は、『ワクチンの効果を半減させる』可能性があるという指摘もある。

   それを裏付けるように、1月13日、スペインの老人福祉施設で、78人の高齢者がファイザー製ワクチンの接種を受けたものの、その後、全員がコロナに感染し、このうち7名が死亡している。持病の詳細は明らかになっていないが、介護を必要とする人も多く、糖尿病を含む、さまざまな基礎疾患を抱えていた可能性は高い」(現代)

   英キングス・カレッジ・ロンドン病院で、糖尿病専門医を務めるフランチェスコ・ルビーもこういっている。

   「糖尿病の人は、自然免疫機能が大きく低下しているため、ワクチンを接種しても、その予防効果を十分に発揮できないだけでなく、ワクチンによって糖尿病が悪化する可能性もあります。医師の間でも糖尿病の人に、コロナのワクチンを接種させるべきかどうかは、意見が分かれるところです。

   現在、我々はチームを組んで、糖尿病を抱えた人でワクチンを接種した約150人の患者のデータを分析し、ワクチンが本当に効いているかを調べています。

   その中にはワクチンを接種後、糖尿病が悪化したというケースがありました。まだワクチンとの因果関係が科学的に解明されていないので、なんとも言えませんが、個々の医師と相談し、リスクのある人は摂取をしない選択を取ることも必要だと思います」

   菅政権の「ワクチンさえ打てばすべてが好転する」という安易で拙速なやり方に不安を覚えるのは、私だけではないはずだ。

『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスターが降板

   NHKの顔である『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスターが3月いっぱいで降板させられるという噂は、かなり前から流れていた。

   だが、『クローズアップ現代+』の武田真一アナまで降板となると、これは"事件"である。有馬の場合、昨年10月26日に菅首相が生出演した際、日本学術会議の任命拒否問題について質問を重ねたことで、菅がイラッとしたことがあった。

   文春によれば、放送直後に山田真貴子内閣広報官が原聖樹政治部長に抗議したそうで、そこから有馬降ろしが始まったという。

   表向きは、「9も和久田アナをメインに据えるべきだ」というものだそうだが、そうした小細工を思いついたのは、「菅官邸と近い正籬(まさがき)聡副会長兼放送総局長や小池英夫理事の入れ知恵ではないか」(NHK関係者)といわれているそうである。

   また武田のほうは、二階俊博幹事長を怒らせたためだという。1月19日の『クローズアップ現代+』で二階をインタビューした際、新型コロナ対策は十分なのか、さらに手を打つ必要があれば何かと聞いたところ、二階が「いちいちそんなケチをつけるもんじゃないですよ」と凄んで見せたというのだ。

   不謹慎だが笑ってしまう。こんなことで武田を大阪へ異動させる、しかも、大の子煩悩な彼を単身でというのでは、「やってられない」だろう。NHKはもはやジャーナリズムを名乗ることをやめたがいい。「安倍さまのため、菅さまのため」の国策放送局と名前を変えるべきである。

   『9』では以前、大越健介が政権批判をしたとして降板させられた。『クローズアップ』では、23年間もキャスターを務めた国谷裕子が、集団的自衛権行使容認について、菅官房長官(当時)に鋭い質問をして、菅の怒りを買い、降板へと追い込まれた過去がある。

   文春によると、有馬は降板発表後周囲に、「NHKがどう見られてしまっているか......それが情けないところ」と語っていたという。

   菅は前からNHKを"改悪"したくて仕方がなかったといわれる。だが、赤子の手をねじるよりも容易く自分に土下座して、何でもいうことを聞きますといわれては、かえって拍子抜けしているのではないか。

   NHKには一人でも、こうした社の在り方に異を唱える奴はいないのか。情けなくて涙が出る。

   新潮は、小泉純一郎元首相が親しくしている、太陽光発電などを手がけるテクノシステム株式会社の生田尚之代取(47)というのが、何やらおかしいと報じている。

   ここが太陽光発電事業などの資金を募るファンドを立ち上げだそうだが、

   「これまでに200億円近い資金を調達しながら、大部分を募集時の目的のために使っていなかった。合同会社からテクノ社に流れた資金は、複数のトンネル会社を通じて、借入金返済に充てられてきたのです」(テクノ社の元社員)

   ファンドの返済期限が迫ると新たなファンドを立ち上げて、その資金を返済に回す自転車操業に陥っているというのである。この通りなら、泣きを見るのは個人投資家なのだろう。

警視庁捜査一課長の女子アナ好き

   同じ新潮に、2月15日付で警視庁の第76代捜査一課長に就任した福山隆夫は、大の女子アナ好きだと報じている。

   感染が拡大している中の昨年11月19日、東京六本木の焼肉屋で、宮崎勉警護課長、フジテレビの警視庁キャップ、それにフジの斉藤舞子アナ(39)と会食をしていたという。福山は斉藤のファンだという噂もあるようだ。

   その上、会食後に福山が斉藤を公用車に乗せて自宅まで送っていったそうだ。当然ながら警視庁の内規には、公用車に捜査関係者以外を乗せてはいけないとなっている。

   福田は新潮に対して、「会合中に斉藤さんの体調が急変しちゃって」、店から近いので公用車で緊急搬送したといい訳している。

   だが、それから1ヵ月も経たない12月17日にも斉藤らと焼肉屋で会食している。これほど"軽い"捜査一課長で務まるのだろうかと不安になる。

   先日は日本マクドナルドの原田泳幸元社長が、妻に暴力を振るったとして逮捕されたが、今度は、「アルペン」の創業者である水野泰三(72)が、男女の出会いを目的とした「マッチングカフェ」で意気投合した女性(42)とホテルへ入り、暴行をしたうえ強制わいせつ容疑で逮捕されたと、文春が報じている。

   水野は23歳でスキーショップを始め、そこから年間売上2000億円台というスポーツ用品小売りの業界大手に育てた立志伝中の人物である。浅田真央などのタニマチとしても知られる。

   長年連れ添った妻に亡くなられ後、40代ぐらいの女性が出入りしていたようだが、その女性を見かけなくなった頃から、水野がイライラし始めたと、近隣住民が話している。

   それにしても、会ったばかりの女性をホテルに誘って、首を絞めたり、腕をねじり上げたり、わいせつ行為をした挙句に現金10万円と運転免許証を取り上げるなど、正気の沙汰ではない。原田も水野も、晩節を汚し過ぎたようだ。

   ところで、新聞も森喜朗辞任問題を連日報じていたが、「それなら東京五輪を止めてしまえ」とは書かない。

   その理由は、5年前の2016年1月、朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞の全国紙4紙は東京五倫組織委と、「オフィシャルパートナー」契約を結んでおり、東京五倫のスポンサーになっているからだとポストが指摘する。

   東京都市大学メディア情報学部の高田昌幸教授も、「報道機関は、税金が大量に投入されるような国家的プロジェクトやイベントのスポンサーになるべきではありません。いくら"公正な報道をする"と言っても説得力がなくなってしまう。世界中のメディアからも批判の声が上がっています」という。

   ポストによれば、「過去の五輪では1業種1スポンサーが基本原則だったが、今大会でその枠は撤廃された。組織委は前述の新聞6社のほか、各業界で複数企業とスポンサー契約をした結果、史上最高額となるスポンサー料3720億円を集めた。

   元JOC(日本オリンピック委員会)参事でスポーツコンサルタントの春日良一氏が言う。

   『1業種1スポンサーの基本原則は『五輪は商業主義に侵されてはならない』という理念を前提とし、五輪マーケティングのモラルでもありました。それを崩した組織委のやり方は、五輪の理念をおざなりにして商業的成功のみを目指したと言われても仕方がない』」

   いくら経営が苦しいからといっても、カネまみれの組織に頼って穴を埋めようという根性が卑しいではないか。

   最後に、文春にペットロスを癒す8つの方法という特集がある。私も経験者だが、なかなか難しい。そこで私の好きな歌を一首。

   愚かなるこの頭よと幾度撫でしわが手の下にいまは亡きがら 河野愛子(文中敬称略)

【絶対当たらない馬券術】
   ご無沙汰です。今週は今年最初のGⅠ「フェブラリーステークス」。4歳馬のカフェファラオの前回の惨敗をどう考えるかがカギになる。ビデオを見直したが、直線に入ってまったく伸びていない。調子落ちか馬に走る気がなくなったのかもしれない。GⅠに弱いのも気になる。
   そこで前回の勝ち方が鮮やかだったレッドルゼルを本命にした。対抗はアルクトス、単穴がオーヴェルニュ。△はインティ、サンライズノヴァ、ソリストサンダー、ワイドファラオ、それにカフェファラオを少々。GOODLUCK!

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。