NHK-BSプレミアムで放送中のドラマ「カンパニー~逆転のスワン~」(日曜午後10時~午後10時50分)が静かな人気だ。イノッチこと井ノ原快彦がリストラ寸前の地味なサラリーマン役で好演しているだけでなく、熊川哲也率いるバレエ団「Kバレエカンパニー」が全面的に協力するバレエシーンが圧巻なのだ。
ダンサー役でKカンパニーのプリンシパル(最高位ダンサー)宮尾俊太郎やプリンシパルソリスト小林美奈らが出演し、物語を盛り上げる。バレエを特技とする女優の織田梨沙の踊りも見ごたえがあり、SNSでは「泣ける!」「回を追うごとに面白くなる」などと称賛の声が多数あがっている。
バレエ団再生へ、降りかかる困難に悪戦苦闘
ドラマは伊吹有喜の小説『カンパニー』が原作で、主役の井ノ原演じるのはリストラ間近のアラフォーサラリーマン・青柳。「君は言われたことしかやってこなかっただろ」と上司から突然出稿を命じられ、縁もゆかりもなかったバレエ団の再生を担当するという筋書きだ。公演のチケットを完売するというミッションを受けて、バレエ団のメンバーらとぶつかり合いながらも、次々と降りかかってくる困難を乗り越えていく。「お決まり」ともいえるストーリーながら、華やかな舞台の裏でさまざまな人たちが悪戦苦闘する姿に、自らの人生と重ね合わせる視聴者も多いのだ。
ドラマの制作統括・樋口俊一氏(NHK)は「これは"縁の下の力持ち"に光を当てるドラマです。世の中の99%の人は、表に立つ1%の人を輝かせるために汗を流している。そういった人々にエールを届けられるような作品にしたい」と制作趣旨を語っている。