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「男がいなくなる」? SFじゃない最新研究の驚き‼ カギ握るのは「Y染色体」、遺伝学者に聞いてみると...

   きょう3日(2021年3月)のあさイチは「つい話したくなる!最新研究SP」ということで、松岡忠幸アナウンサーが「男がいなくなるかもしれないんです」と切り出した。

   ヒトの男女は「X染色体」と「Y染色体」の組み合わせで決定する。母が持つX染色体と父が持つX染色体が一緒になれば「XX」で女性に、母のXと父のYが一緒になれば「XY」で男性になる。

   この仕組みについて、遺伝学者のジェニファー・グレーブス博士が、「男性を男性たらしめるY染色体がやがて自滅してしまう」という論文を発表した。Y染色体がどんどん短くなっていて、今後消滅してしまう可能性があるというのだ。

   グレーブス博士「Y染色体が完全になくなるのは500~600万年後だと予想しましたが、突然変異が起きれば世界のどこかで来週消えても不思議はないんです」

希望の星は「トゲネズミ」? 「Y染色体」消滅後もオスが産まれている

   なぜY染色体が短くなっているのか、北海道大学大学院の黒岩麻里教授が解説する。

   黒岩さん「染色体は、紫外線や化学物質を浴びることで傷が入ってしまうことがあります。Y染色体の場合、X染色体と全然違う染色体なので、片方を保険にして治すことができないんです」

   X染色体は2本で1セットで、お互いの遺伝子を組み合わせて母から娘、孫へと引き継がれる。染色体が傷付いても、片方の染色体で修復することができる。

   一方Y染色体はひとつしかなく、単純に父から息子へコピーが受け継がれるしかない。何らかの要因で傷付いたら修復できず、傷は蓄積される一方になる。いらなくなった部分から崩壊し、どんどん短くなってきたと考えられている。

   黒岩さん「X染色体には1500~2000個くらいの遺伝子があるといわれていますが、Y染色体には50種類くらいしか残されていないといわれています」

   小林孝司アナウンサー「実はY染色体をすでに失ったほ乳類がいます。沖縄や奄美大島にいるトゲネズミは、500万年ほど前にY染色体が消滅したんです。ただ、今もオスが産まれています」

   黒岩さん「トゲネズミは進化の先取りをしているんです。トゲネズミはY染色体を失ったのと同時に性を決める新しい遺伝子を進化させていることが最近の私たちの研究から明らかになっています。新しい遺伝子が働くことでY染色体がなくなってもオスが産まれてくることができると考えていて、私たちの希望の星なんです」