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バッハ会長、五輪選手に「中国製ワクチン提供」のナゼ? 専門家「情報少なく論評できない」

   IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は3月11日にオンラインで行われたIOC総会で、東京五輪・パラリンピックと北京五輪(冬季)に参加する選手らに中国製ワクチンを提供する考えを示した。バッハ会長は中国からワクチン提供のオファーを受けたと明かし、「IOCがオリンピックチームだけでなく、パラリンピックチーム分も費用を負担する」と述べ、希望する選手にワクチンを提供するとしている。

   中国製ワクチンには「シノファーム」「シノバック」「カンシノ・バイオロジクス」「武漢生物製品研究所」の4種類があり、53か国に無償提供され、27か国に輸出されている。

国際社会のプレゼンスを高めたい中国の思惑か...

   東京五輪組織委員会の武藤敏郎事務総長は「事前にまったく聞いていなかった。ワクチン接種は日本政府がやっていることで、組織委員会としてコメントする立場にない」と話している。

   現在日本では承認されていない中国製ワクチンについて、米国国立研究機関博士研究員の峰宗太郎医師は「中国政府は4つのワクチンを承認しているが、英米のワクチンと比べると情報公開が限定的で、論文になっていないものが多い。情報が公開されないと論評できない。ただし、中国はワクチンを通じて国際社会でのプレゼンスを高めたい思いがあるので、ワクチンで外交を行っているということには注目しておくべき」と指摘。

   司会の加藤浩次「中国は自分たちの力を強めようとの側面があるんでしょうかね」

   菊地幸夫弁護士は「欧米が定めた均等・公平なワクチン供給というルールを無視してプレゼンスを高め、混乱を引き起こしているのかも。政治的意図があるかもしれず、冷静に見ていく必要があります」と話した。

   クリエイティブデザイナーの三浦崇宏は「政治と医療が重なると、どっちが大事かの価値観の問題だ。なによりワクチンの自国開発が急務だと思う」とコメント。