番組制作は『企画』が命! 『企画』という川をはさんで出演者と演出家が握手をする ~40年以上のテレビ番組制作経験を振り返って

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   今週は、私が実際に番組を創っているときに考えていたことについて、お話ししたいと思います。

   話に入る前に自己紹介を簡単にすると、私は日本テレビ時代、制作のチーフプロデューサー、ドラマ制作部長・編成局長、制作局長、報道局長等40年以上、いろいろな形で番組の制作に携わってきました。

   まず、出演者と我々スタッフの関係の基本的な考え方については、このコーナーで何回か取り上げさせてもらいましたが、日本テレビの有名なプロデューサー細野邦彦氏が、入社して間もない私に言った言葉が端的に表しています。

   「出演者と演出スタッフの間には、"企画"という川が流れている。その川をはさんで、対岸で握手するのが出演者と演出家だ」

   これは、本当に"言い得て妙"な表現で、あくまでも、「出演者と演出家の間では"企画"が最も重要」ということなのです。

出演者サイドの要望にはできるだけ早く返事をする

   次に、いつも私が心がけていたことですが、出演者サイドから、何か頼まれ事をされたときには「できる・できないを極力早く言う」ことです。できないとはっきりわかっているのに、ぐずぐずと返事を先延ばしすることは、良くありません。

   また、「汗をかく」ということも大事です。私が、今でもはっきり覚えているほど感動したことがあります。私がある方に新番組の1回目の出演をお願いするために、バーニングプロの周防郁雄社長を訪問したところ、目の前で早速、自分で電話を何件かして熱心に頼んでくれたのです。「わかった」と言って「後で連絡する」こともできるのに、目の前ですぐに対応してくれました。

   結果は、出演はしてもらえませんでしたが、「汗をかく」ことが大事だと、わかりました。次週も「番組の創り方」について、私の思うところをお伝えします。

渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。
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