昭和19年2月、千代(杉咲花)の幼馴染み・富川福助(井上拓哉)は、妻の富川みつえ(東野絢香)と息子の富川一福、両親、そして千代と夫・天海一平(成田凌)とに見送られながら出征した。
その数日後、芝居茶屋「岡安」にとっても特別な日がやってくる。道頓堀60年の歴史に幕をおろす日である。女将の岡田シズ(篠原涼子)と夫・岡田宗助(名倉潤)は、岡安を支えたお茶子たちに労いの言葉をかける。
その後も、戦争で状況は悪化の一途をたどり、えびす座、鶴亀座と道頓堀の芝居の灯りは消えた。そんななか家庭劇は小さな芝居小屋を転々として公演を続けていた。
防空壕のなかで千代に声をかけてくる男がいた
ある日、劇団の稽古場で練習道具を片付けていると空襲警報が鳴りだす。一平と千代は、他のメンバーとはぐれてしまうが、なんとか防空壕に逃げ込む。防空壕のなかは人がいっぱい。空襲警報でみんなが不安を抱える中、千代に声をかけてくる男がいた。
花車当郎「花子、花子・・・会いたかったで」
千代「ウチ花子ちゃいますけど?人違いだす」
花車当郎「花子は、人ちゃう。昔飼ってた牛や」
周囲から笑いがもれる。即興で掛け合いを続ける千代。やがて周囲が大爆笑になり、防空壕の中は和やかな雰囲気に変わる。
やがて空襲警報が解け、千代は一平と家に帰る。
千代「けったいな、おっちゃんやったな」
その男は漫才師の花車当郎(塚地武雅)だという。(NHK総合あさ8時放送)