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「ミャンマーを助けてください?」 永島優美アナに現地から悲痛な訴え、死者510人にも

   ミャンマーでの民衆による国軍に対する抗議デモでの死者は29日現在で、510人に達した。なかでも、デモに参加したわけでなく、街角で遊んでいた子どもが死亡する事例も出るなど、ユニセフの調べでは、子どもの犠牲者が35人に上る。なぜ、こうした事態になったのか?番組が背景を探った。

   MCの永島優美キャスターが、7年前から現地に住む日本人、新町智哉さん(42)に聞いた。新町さんは映像制作の仕事をしているが、市民による抗議活動を撮影中に軍から攻撃を受けた。「催涙弾で、顔中がもう、涙も鼻水もよだれも、全部出ているような状況で。近所の知り合いが亡くなっていることがある」。

   ミャンマー代表のハン・レイさん(22)は27日、ミス・グランドインターナショナルが開かれたタイ・バンコクで、クーデター後の窮状を訴えた。「私がスピーチをしている今日、100人以上が犠牲になりました。ミャンマーを助けてください。今すぐ国際的な支援が必要です」。レイさんは、ヤンゴン大学に通っているが、ミャンマーの両親とは連絡が取れていない。

   ミャンマー国軍は27日、タイ国境を空爆したが、これは、同国境付近にある少数民族の武装組織の拠点を狙ったものとみられている。

「国軍は、これほどの市民が抵抗するとは思っていなかった...」

   京都大学大学院の中西嘉宏・准教授は、「国軍にとって想定外だったのは、これほど市民が抵抗するとは思っていなかった」。「アウンサン・スー・チー氏とNLD(国民民主連盟)の支持者を超えて、とくに若い人が立ち上がっている。軍としてはまだ、スー・チー派の排除、新しい政権を選びなおすという目的を終えていないので、絶対に目的を完遂するという強い意識のもとで、抵抗する市民に銃を向けている」。

   MCの谷原章介キャスター「無差別に市民を攻撃している、という印象だが」。新町氏は「(軍の圧力に)屈せず日常生活を送り続けることで、彼ら(市民)の正当性を世界に訴えている」。

   中西准教授によると、ミャンマー国内では、SIMカードが使えないように設定されるなど、情報発信・閲覧が制限、民間のすべての新聞の発行が禁止されているという。国際政治学者の三浦瑠璃氏「市民の(抗議)活動と少数民族の動きを混同して、軍が混乱して強権抑圧に入っている。30年前のような軍政には戻れない、ということを(軍は)自覚しなければ」。