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「イチケイのカラス」初回13・9%の好調スタート!「竹野内豊と黒木華のやり取りが絶妙」「脇役陣が豪華」と称賛の一方、「HEROのパクリ」「原作の悩み多き裁判官像が消えた」「あり得ない設定多すぎ」の批判も

   竹野内豊(50)が主演を務めるフジテレビ系の法廷サスペンスドラマ「イチケイのカラス」の初回が4月5日に放送され、平均世帯視聴率が13・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調スタートした。

   ネット上では「竹野内豊と黒木華のやり取りが面白い」「傑作HEROを思い出す痛快さだ」「脇役陣が無駄に豪華すぎる」と称賛の声が上がる一方、「裁判官が捜査するなんてありえない」「原作の裁判官ならではの悩みどころが消えている」という批判の声もあった。

  • 現場検証までやる裁判官って…(フジテレビの公式サイトより)
    現場検証までやる裁判官って…(フジテレビの公式サイトより)
  • 現場検証までやる裁判官って…(フジテレビの公式サイトより)

捜査権を発動し、現場検証を行う裁判官ってアリ?

   原作は浅見理都の人気コミック。竹野内豊が演じる東京地方裁判所第3支部第1刑事課(通称・イチケイ)の型破りな刑事裁判官と、黒木華(31)演じる堅物裁判官コンビの活躍を描く。第1話は、入間みちお(竹野内豊)が所属する「イチケイ」に若くして特例判事補になったエリート・坂間千鶴(黒木華)が赴任。代議士による不正献金疑惑によって議員秘書だった男性が罪を背負って自殺し、男性の息子が代議士に傷害をはたらく事件を担当。入間は、父が自殺するはずないという被告人の言葉を信じて、捜査権を発動し、現場検証を行う。そして死の真相を探っていき、代議士の男が目撃者を揺さぶり不正献金疑惑を揉み消そうとしていたことを明らかにするという展開だった。

   ネット上では、木村拓哉演じる型破りな検察官と、松たか子演じる生真面目だがとぼけた味のある検察事務官コンビの捜査活動を描いた「HERO」(フジテレビ系)の凸凹ぶりに似ているという声があふれた。

   「第一話は完全にHEROをパクっている。お出掛け(現場検証)が好きな点も、ラフな服装も、周囲の反対を無視して事件の底まで見ようと行動するから案件が溜まる一方な点も。小日向さんが上司役で出て、勝村さんもゲスト出演していたので特に思い出した。HEROは通販マニアだったが、イチケイはふるさと納税マニア。最終学歴が中卒の点まで(笑)。容疑者を裁くためにしっかり話を聞く背景には過去の裁判が関係していそうで、どう決着するのか興味がある」

   「設定がHEROの裁判官版だが、話は面白かった。検察→久利生公平、弁護士→古美門研介、裁判官→入間みちおだったらどんな裁判になるのだろうか。今後が楽しみだ」

竹野内豊の影響で黒木華がどう変化していくか楽しみだ

   竹野内豊と黒木華のやり取りがユニークで面白いという声が多かった。

   「茫洋とした、しかし芯の通った言動の竹野内豊と一途な黒木華、二人の会話の応酬が良かった。展開もスピーディーでさきが読めなかった。脇役の布陣もなかなか。ツッコミどころはあるが。前向きに生きる。判決の落としどころも納得。来週も観ますよ」

   「竹野内さんと黒木さんの凸凹な2人が絶妙なバランスだったと思いました。原作未読だし、HEROも見ていないので、竹野内さんの影響で黒木さんがどのように変化していくか、最終的に黒木さんは悩んで草刈さんを竹野内さんと2人で裁くのか、とても楽しみです。 その他の役者さんも好きな方達なので見ていて安心感があります」

   「竹野内さん50歳と思えないカッコよさだし、入間というキャラクターがすごく人間味があって親しみやすくて、あの声と優しい口調で問われたら何でも真実話しますと思いました(笑) 。髭はちょっと苦手ですが、なんかワケがあるのかな?」

   「黒木華さんの役、演者さんによってはキャンキャンうるさいだけになり得るところを、共感できるキャラになっているところは、さすがとしかいいようがないです」

   「途中までHEROを思い出しました。懐かしく(笑)。型破りなヒーローに、堅物なヒロイン、それに小日向さん。キャラの立て方も、事件への取り組み方も、よく似ている。それがだんだん気にならなくなってきました。合理主義、成果主義のヒロインに、それだけではない、裁判官の本質を教える主人公、それを見守る上司。竹野内さん、黒木さん、小日向さんが与えられた役をきっちり演じてくれていて、何を観てゆけばいいのかがよくわかる。脇を固めた役者さん方も、梅雀さん、山崎さん、桜井さん等、とても豪華。裁判官という仕事を、楽しく観てゆけそうです」

毎回検察や弁護人を疑って捜査を蒸し返す、ちゃぶ台返しなの?

   一方で、こんなツッコミの声も。

   「毎回こんな風に検察や弁護人を疑って捜査を蒸し返し、ちゃぶ台をひっくり返す感じですかね。裁判官の仕事は感情に流されず、法律に則った判決を下す事だけです。そこは聖域で厳しい立場です。恨みも買います。せっかく裁判官のお話なので、そこの歯痒さとか葛藤を描いて欲しいです。全員にとっていい判決なんてものがあったら裁判官なんて楽な仕事ですよ。勝ちとか負けとか何で甘い事言っているのか、私にはわかりませんでした。そこをブレなくするために検事や弁護士がいるのだし、彼らの仕事が甘いと勝手に判断して直接捜査に介入するのは異例というかチート技だと思いました」

   法曹関係者からは、こんな批判もあった。

   「法曹関係者ですが、フィクションとしてもありえない。原作はもっとちゃんとしていた。法廷での発言は法的に問題ありまくり、審理の進め方もありえない。そもそもカラーシャツ、ノーネクタイの裁判官なんかいない。ヒゲもありえない。人間味溢れる裁判官を演出したいのだろうが、やり方が安直だし、原作の入間はそんな方法で人間性を表現してはいない。内容もよくある筋書きで主人公が弁護士でも検察官でもいい、裁判官である必要性がない。むしろ現場に出して調べるなら裁判官であることが足かせなっている。原作は裁判官ならではの悩みどころや、真実がわからないモヤモヤ感とか、新鮮な切り口が出ていたのに、ドラマとしてスッキリさせるためにその点が全てなくなった。削ってはいけないとこを削り、余計な要素を加えすぎたためにHEROの劣化版のような変なドラマになっている。なぜか官舎だけリアル」

子供を救うための事故なら運転士にも見えていたはず

   結末に関しても疑問の声が。

   「ちょっと結末がなあ。うるさくて電車の音も聞こえない場所で男二人の会話が丸聞こえというのも変だし、子供を救っての事故なら運転士にも子供が見えていただろうし。だいたい子供の命の恩人を法廷で悪く言うなんて...。いくら脅迫されていたと言え、それは上司や警察に相談するレベルだよね。人一人亡くなっているんだし。いくらドラマでも、こういう大事なところがしっかりしていないとシラケるんだよなぁ~」(テレビウォッチ編集部)