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「殺された方々の人権は...」 茨城一家殺傷で議論再燃

   「茨城・家族4人殺傷事件で逮捕された岡庭由征容疑者26歳。容疑者は過去に通り魔事件を2件起こし、医療少年院に入っていました。逮捕までに一体なにが...」とMCの谷原章介が切り出した。

   10日(2021年5月)の番組が取り上げたのは、2019年に就寝中の小林光則さん(48=当時)と妻の美和さん(50=同)が刺殺され、子ども2人も重軽傷を負った事件。茨城県警は7日、埼玉県三郷市に住む無職の岡庭容疑者を殺人の疑いで逮捕した。

  • 番組公式サイトより。
    番組公式サイトより。
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偽の警察手帳を作った容疑でも逮捕

   被害者との接点が確認されていないという岡庭容疑者が捜査線上に浮上してきた理由は、過去の事件だ。岡庭容疑者は10年前、高校生の時に面識のない少女2人を刃物で切り付け逮捕され、医療少年院に送致されていたのだ。

   また、警察は、2020年11月に岡庭容疑者の自宅を別の殺人予備容疑で家宅捜索していた。その時には硫黄45キロを押収し、火災予防条例違反容疑で逮捕。取り調べで岡庭容疑者は「人を殺したい衝動があるが、我慢している」という趣旨の話をしていたという。さらに今年2月には偽の警察手帳を作った容疑でも逮捕している。

   岡庭容疑者は、一体どんな人物なのか。近所の人によると、実家は「岡庭一族」と呼ばれるほど裕福で、広い土地には祖父の住む家と容疑者が家族と過ごした家の2つがあったという。

「社会全体でしっかり手当を」

   小中学校の同級生らは「問題行動はなかった」「おとなしいというか、目立たない」などと話すが、一方で裏の顔も。近所に住む住民は「物静かだけど、親の目を盗んでいじめる。(息子が)つねられた」。また小中学校時代の同級生の母親は「ザリガニとかが死に絶えるのをずっと見ていたそうです」と証言した。また、通り魔事件を起こした高校時代の印象について、元同級生は「だれも周りにいないのに笑っている。不気味な印象」と話した。

   谷原「更生の機会は与えられないといけない。しかし、通り魔事件で2人の被害者を出した人の人権を守った後に起きた一家の殺傷事件というと...。殺された方々の人権はどうなるんだという議論は毎回起きます」

   橋下徹(弁護士)「今の日本は、犯罪行為をしても、きちんと罰を受ければそれで終わりというのが建前。もう一方の国の在り方としては、危険性がある限りずっと拘束する。しかしこれは非常に危険な考え方です。権力者が都合の良いように利用してしまう可能性がありますから。犯罪被害者に対しては社会全体でしっかり手当をしていくというやり方しかないのかな、と思います」

(ピノコ)