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緩和進む欧米と日本の「差」のなぜ 政府・政治家の「本気度」の違いでは?

   報道フロアから森富美アナが、欧米では新型コロナウイル感染防止の規制が次々に緩和されていると伝えた。アメリカ・ニューヨークでは飲食店や小売店、映画館などに課されていた人数制限が1年2か月ぶりに撤廃され、マスクの着用義務が大幅に緩和された。

「フランスのパリではレストランやカフェなど飲食店の屋外での営業がおよそ半年ぶりに再開されました。来月(2021年6月)からは外国人観光客も受け入れます」(森アナ)
  • ワクチン「1日100万回」接種を掲げるが…
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ワクチン接種のスピードに差

   いま緊急事態宣言の延長が検討されている日本とは、なにが違うのか。「スッキリ」はけさ20日(2021年5月)放送の冒頭で違いを取り上げていた。やはりワクチン接種のスピードに大きく差があった。直近の1週間の1日あたりの接種回数を見ると、アメリカ177万回(2回の接種完了率37%)、ドイツ66万人(12%)、イギリス53万件(30%)、フランス49万回(14%・1回終了30%)、イタリア48万回(15%)に対して、日本は29万回(高齢者の1回目2%)にすぎない。

   パリで飲食店を経営している田淵寛子さんは「薬局など、街中のいろいろなところで接種できるんですよ」と話す。フランスは獣医師、保育士、マッサージ・運動療養士、消防士も注射ができるように法律も改正した。モーリー・ロバートソン(国際ジャーナリスト)は「ニューヨークは(ワクチン接種を完了したら)マスク外していいですよと行政が言うようになってきています。ワクチンを観光資源にして、打ちに来てくださいと広報活動までやっていますよ」と報告した。

   どうやら、欧米各国は十分な量のワクチンを確保していて、今後は接種のスピードアップと経済規制の緩和を並行して進めようとしているらしい。接種の現場は大混乱、規制長期化で経済ダウンの日本も追いつきたいが......。

   リモート出演の日本感染症学会専門医の佐藤昭裕医師はこう強調した。「日本も医師などワクチンの打ち手の意欲は高いので、まずは打つ場所をできるだけ拡大することが急がれます。多少の無駄が出ても、接種会場を多く設置していくことが重要です」

   菅義偉首相は年内の接種完了を目標に、1日100万回を目指すとぶち上げているが、そもそもかなり無理筋だし、欧米もアメリカを除けばそれほどは多くない。東京・大阪などの大都市と、過疎の村が同じ基準で接種を進めているのも効率が悪い。

   ロバートソン「ニューヨークは小さなミスを気にせず、大胆にやっていることが功を奏しているんでしょうね」

   加えて、政府や政治家の本気度が違うんじゃないの。

(カズキ)