ワクチン「4割超え」の明暗 「英国はリバウンドに直面」のナゼ

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   ワクチン接種率が42.8%となったアメリカでは、1日(2021年6月)からラスベガスで経済活動が全面再開、通りは観光客であふれかえった。一方で、接種率43.4%の英国では、この7日間の感染者が4万6000人を越え、ロックダウン全面解除を延期した。この違いは何か、日本はどうすべきか、を14日のスッキリは取り上げた。

   ラスベガスでは1日、レストランの収容人数の制限を撤廃するなど経済活動が再開された。地元の観光会社では「コロナ前と全く同じ。現地のわれわれもびっくりしています」。

   米国では世界最多の3300万人以上が感染、ラスベガスも昨年4月のロックダウン中には車も人も消えたのに、今は再開から半月も立たずに、人が歩くのも難しいくらいの混雑ぶり。ほとんどの人がマスクなしの状態。米国のCDC(疾病対策センター)は5月、ワクチン接種を完了した人はマスク着用の必要がないとの新たな方針を出した。ただ、日本人の観光客からの予約申し込みはなし。番組は、ラスベガスの現在の感染状況を伝えていない。

  • ワクチン接種と集団免疫の関係に注目が集まっている。
    ワクチン接種と集団免疫の関係に注目が集まっている。
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EUではワクチンパスポートの試験運用始まる

   約580万人が感染したフランスのワクチン接種率は20.8%。6月9日にレストランやカフェなどの屋内営業が約7カ月ぶりに再開された。パリのシャンゼリゼ通りでは、外国人観光客も増え始めた。

   EU(欧州連合)では1日からワクチンパスポート(デジタルコロナ証明書)の運用を試験的に開始。ワクチン接種の完了や、陰性診断を証明するもので、EU域内では入国禁止や隔離措置の制限がなくなる。1日にドイツやギリシャなど7カ国でスタート、7月1日からは27の加盟国すべてで運用開始予定だ。

   一方で英国では、ワクチン接種が4割を超えたのに感染再拡大に直面している。この7日間の新規感染者数は約4万人を越え、前週より65%増えた。ワクチン担当相は「予防接種計画で努力して獲得した成果を無駄にはしたくない」。BBCによると、感染の大半がインド型の変異ウイルス。このうち3分の2はワクチン未接種だった。英国政府は今年3月からロックダウンを段階的に緩和、今月21日に全面解除を予定している。しかし、BBCによると、解除を最大4週間遅らせることを検討しているという。

   MCの加藤浩次「米国では40%くらいで集団免疫の効果が出てきているといわれるのに(英国は4割超で再拡大)、いったい何%で効果が出るんでしょう?」。日本感染症学会の水野泰孝・指導医は「英国では、ワクチンを打ってない、免疫のない方で広がったと報告されている。クラスターをある程度防げる集団免疫は、6割から7割の免疫があれば抑えられる」。ワクチンパスポートについて、米国では一部の州以外は、導入の検討はしていないが、接種率4.3%の日本では、十倉雅和・経団連会長が「早期に導入してほしい」と表明した。

   日本でも20日期限の緊急事態宣言の解除が予想されている。ワクチンへの過剰な期待がリバウンドを招くことを「ワクチン先進(?)国」が証明することになりそうだ。

(栄)

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