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福山雅治「とても恐ろしいこと」 子供の写真掲載めぐり問題提起

   歌手の福山雅治さん(52)が、子供の写真を写真週刊誌に撮られ掲載されたことについて、自らのラジオ番組で約7分半にわたって「苦言」を呈した。13日(2021年7月)のスッキリが伝えた。

   福山さんは10日のTOKYO FM「福山雅治 福のラジオ」の番組冒頭で、「これまで、きちんとお話をしていなかったことをお話しさせていただければ」と前置きして、語った。

   「写真週刊誌に家族の写真が掲載される、ことについて、どういうふうな思いでいるのか」。

  • 番組公式サイトより
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「いつでもモザイクを外せるような状態で...」

   福山さんは2015年に女優の吹石一恵さんと結婚し、16年に第一子誕生を報告した。これまでに自身の写真や憶測記事が出ても、これに触れることで週刊誌の宣伝になる懸念があるため「完全スルー」の姿勢を貫いてきたという。しかし、「子供の写真を撮られるということにおいて、それが掲載され、かつ販売物となって、世の中に出ていくということにおいて、黙っていることはできない」と考えたという。

   「どんな顔してるんだろう、どんな子供なんだろう、というのに興味がない人もいれば、興味がある人もいますよね。興味がある人の興味を否定はしない。そういうことではなくて、守られるべきものが守られていない気がする」

   「芸能人の子供だから、関心ごとだから掲載するんです、と。だけどデビューしているわけでも何でもないから、モザイクで分からないようにしています、というのが、ひとつのルールみたいなことになっていて」

   「子供が幼稚園に通っている。毎日通るその場所で、全然知らない人が写真を撮っている。撮った方、その写真を掲載する媒体および編集の方、さまざまな方が僕の子供もの顔を知っている。かつデジタルの時代なので、データを持っているわけですよね。いつでもモザイクを外せるような状態で、共有しているわけですよね。これってとても怖いことだなと思った。とても恐ろしいことだ」

   「芸能人だからって我慢して、何年もこれから先過ごしていかなきゃいけないのかな、って思うと、それは違うなと思った。子供もを守っていくという立場になった時に、黙っているっていうのは、子供に対して説明がつかないなと思ったんですよね。子供に対してきちんと説明できる状態、十分に納得してくれる状態にするのが、親としての務めじゃないか。僕の仕事がこうだから、こういうことになっている。僕たち家族だけが我慢していればいいだけの話だから、我慢しようね。というのは違うだろうと」「違うと思っていることや、嫌だと思っていることは、きちんと発言し、発信していくべきなんじゃないか」

   「ちょっともうこれ、一線どころか、ずいぶん越えたところに来ちゃったと思っていて、こういう扱われ方や掲載のされ方と言うのは、タブー視したり暗黙の了解で黙認しているわけでもないし、スルーすることもなんか違うかなと思っているので、2021年の現在から未来において変わっていく時期なのかなと思っています」。

ロバートキャンベル「福山さんは一石を投じた」

   週刊誌への子供の写真掲載問題について、俳優の賀来賢人さん(32)はSNSで、「もし次、私の子供を盗撮した記事を、たとえモザイクをつけたとしても、載せた場合、私は本当に怒ります。もうやめてくれませんか」

   一方で、フリーアナウンサーの高橋真麻は、見解が異なる。「私が生まれた時に父親(高橋英樹)は、私を抱っこして記者会見して、ガンガン顔出しされていた。昨日(父に)電話して、何で顔出ししたの、と聞いたら、ようやく授かった子だから皆様にお披露目したいということだった。でも、今回の福山さんのおっしゃることはわかる、と。1ミリも出したくないと思っている人はいやだろうし。こないだ夫と娘と3人で撮られていたけど、子供にはモザイクがかかっていたけれど、そんなに強くは意識しなかった」。

   番組コメンテーターの菊地幸夫弁護士は、肖像権(自分の姿を勝手に撮影・公表されない権利)と報道・表現の自由について、福山さんの場合は、「子供は一般人なので、肖像権の侵害に当たる可能性はある」としている。

   日本文学研究者のロバートキャンベル。「撮影をしたデータを編集者らが保有することに対する違和感はわかる。法的な侵害にあてはまるか、は難しいかも知れないが、これから考えるべきことでは。福山さんは一石を投じた」

(栄)