2024年 4月 20日 (土)

「あさチャン!」が「注目の治療法」紹介 「ネーザルハイフロー療法」とは

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   新型コロナウイルスの第5波の懸念が高まるなか、広がりつつある治療法がある。16日(2021年7月)の「あさチャン!」で藤森祥平アナは「鼻から大量の酸素を送り込む治療法が注目されています。喉の奥に管を通す従来の人工呼吸よりも負担が軽減できます」と紹介。

  • 実施する医療施設も増えている、とのアンケート結果も(写真はイメージ)
    実施する医療施設も増えている、とのアンケート結果も(写真はイメージ)
  • 実施する医療施設も増えている、とのアンケート結果も(写真はイメージ)

鼻から大量の酸素を

   その治療法とは「ネーザルハイフロー療法」で、重症化する前の患者に使用される。

   国立国際医療研究センター病院の放生雅章医師は、「人工呼吸器につながなくても患者自身が自分の呼吸で酸素を吸うようにできる点で、非常に有効な治療です」と言う。実際の治療現場では一見して普通の酸素チューブにみえるが、その約10倍の酸素を送り込むことができる。肺炎で機能が落ちた肺に、鼻から大量の酸素を送り込むのだ。

   放生医師によると「メリットは、自分が意識を保ったまま自分で呼吸ができること。人工呼吸器の場合、喉の奥まで管を通すため苦痛を伴うため麻酔が必要ですが、ネーザルハイフロー療法の場合はその必要がありません。意識を保ちながら自分で呼吸ができるのです」という。

   ネーザルハイフロー療法は大量の酸素を投入するため、これまではエアロゾルによる院内感染が懸念されていたが、海外の研究で陰圧個室での使用などでリスクを軽減できることが確認された。厚生労働省の「コロナ診療の手引き」では、ネーザルハイフロー療法を今年5月の改訂で中等症の治療法として位置づけられた。

   この治療を受けた40代の男性は、「もしこれをしていなかったら、きっと死んでいたのとちゃいますかね。体力も気力も持っていかれていたので。導入には不安がありましたが、装着したら一気に体が楽になった。極端にいえば、肺だけではなく脳まで酸素が行き渡り、覚醒した感覚でした。思わず『声でるわー』と看護師さんに話したほどでした」と言う。

夏目三久「医療負担も軽減されるとのことですが...」

   この装置には加湿機能もあるため、喉の荒れも改善する。また、医療現場の負担軽減にもなっている。放生医師は「人工呼吸器の場合は24時間モニターが必要で、マンパワーを考えると全然違う」と、そのメリットについて話した。

   MCの夏目三久が「医療負担も軽減されるとのことですが、どのくらい導入されているのでしょうか?」と問うと、藤森アナが日本呼吸器学会のアンケート結果を紹介。

   アンケートによると、ネーザルハイフロー療法を実施した医療施設は、去年6月時点では12%だったが、今年2月時点では49%になっている。

   藤森アナは「現場では手ごたえを感じているようです。栃木・宇都宮市のインターパーク倉持呼吸器内科の倉持仁院長は『第5波に備えて当院でも導入したが、通常は高度医療機関にお願いしたほうが良い治療ができる。導入したのはあくまでも最悪の事態を想定したから』と話しています。何よりも感染を増やさないため、それぞれが努力することが大切です」と話した。

(バルバス)

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中