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緊急事態宣言の「拡大・期間延長」効果あるの? 医師からは「野戦病院を」の声

   新型コロナウイルスに感染しても入院できない「自宅療養者」が最近1カ月で13倍増の7万人を越え「自宅死」も出始めた。しかし、政府は、緊急事態宣言を13都府県に拡大、期間延長するだけ。街の人は「どうにもならない」とあきらめ顔。医師のなかには、「自治体が協力して五輪施設も活用して野戦病院を作るべきだ」との声が出ている。

   新型コロナウイルスの感染者は16日(2021年8月)の東京で2962人、月曜日としては過去最多。全国の重症者は1603人でやはり最多となり、減少する気配が見えない。17日の「あさチャン!」が取り上げた。

  • 「宣言」の効果は?(写真はイメージ)
    「宣言」の効果は?(写真はイメージ)
  • 「宣言」の効果は?(写真はイメージ)

福井県が整備した臨時の医療施設

   埼玉県三芳町のふじみ野救急病院では16日、発熱外来の受付付近から満車の駐車場を回って門の入口まで長蛇の列が並んだ。コロナ病床は臨時病床を含めて40床で対応しているが満床で、待機状態。「入院の経路は、自宅療養中で酸素が下がってきてもう待てない、危ないという方の依頼が半分くらい」。鹿野晃院長は言う。「自治体ごとにばらばらに戦うのでなく、拠点化した野戦病院で効率よく患者さんを見ていく。こうした戦略が有効だ」。

   福井県では今月2日、体育館に100床を確保、「いつでも受け入れ可能な状態」(同県健康福祉部長)の臨時の医療施設を整備した。英国では昨年4月以降、ロンドン五輪で使われた競技施設などを活用して「ナイチンゲール病院」を国内7カ所に設置、軍などの協力で改装した。五輪施設内には大学キャンパスや展示場などの跡地もあり、活用した。中等症患者への対応が主目的で、医療崩壊を防いだ。

   「自宅療養者」数は、11日現在で7万4063人(厚労省調べ)、1カ月前の5809人(7月14日)の約13倍に急増した。都内では先月と今月に30代男性が自宅で亡くなった。

   一方で、政府は「緊急事態宣言」について、茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県を追加。これまでの、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄と合わせて13都府県で、9月12日まで延長する。17日に正式決定する。

「あさチャン!」が伝えた街の声

   これに対し、街の声は「年中、緊急事態宣言だ」「たぶん、どうにもならないですね。もっと早くに専門の病院、作れたでしょう。やらない国がいけない」とあきれ気味だ。

   菅首相と小池都知事は16日、厚労省が認可した「抗体カクテル療法」を視察。「宿泊療養施設でもこれで重症化を防ぐことができれば、大きな武器になりえる」(小池知事)。一方で、24日からの「無観客パラリンピック」は、希望する自治体に児童生徒の観戦を認めることにした。「野戦病院」構想への菅・小池両首脳の反応は、番組では聞かれなかった。

   容態急変の恐怖におびえる7万人超の「自宅コロナ患者」を横目に、これまた強行されるパラリンピックでは、何人の医師が動員されるのか?

(栄)