菅首相「地方との壁も」と弁明 何を今さら...長嶋一茂「わかっていたコト」

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   きのう9日(2021年9月)、菅義偉首相が会見を開き、「新型コロナとの闘いに明け暮れた日々だった。国民の命を、暮らしを守る一心で走り続けてきた」と語ったうえで、自らの感染対策で浮き彫りになった課題についても言及した。

  • 菅首相
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成果としてワクチン「確保」挙げる

   菅首相が挙げた課題は「治療薬やワクチンの治験や承認が遅く、省庁間のタテ割りや国と自治体の壁があり、柔軟な対応が難しかった」ことだったと述べ、「医療体制を確保できず反省している」と反省もした。そして成果としては「世界の激しいワクチン獲得競争の中で、4月の訪米時に全国民分を確保し、5月の連休明けには本格的な接種を始めたこと」だとした。

   同じく会見した政府分科会の尾身茂会長は、次の政権に期待することとして「リバウンドを防ぐ意味で、感染が残るスポットへの集中的なワクチン接種、ブースター接種について今から検討する。高齢者や基礎疾患がある人に早期検査と早期治療を行う。ワクチン検査パッケージの運用についてできるだけ早く国民的な議論を進めるべきだ」と提言した。

   日本医科大学の北村義浩特任教授は「首相は治療薬やワクチンの治験や承認が遅かったと言うが、それはワクチンや治療薬に対策の重きを置きすぎたため。もっと人流や飛沫感染対策をすべきだったと思う。一概に首相だけを責めるわけにもいかないが、ワクチンを実施したので終わり、というメッセージは良くなかったと思う」とコメント。

玉川徹「コロナ危機を過小評価していた結果」

   スポーツキャスターの長嶋一茂は「総理は初めて自分の言葉・考えでコメントしていたように感じられた。理想と現実のはざまで揺れ、苦労した思いは伝わってきた。ただ、タテ割り行政や知事とのコミュニケーションを理由にしていたが、これは昔からの体質で、十分わかっていたはずのこと。官房長官時代にはタテ割り行政を打破できる人だと思っていたので、早い段階から対応してほしかったという思いはある」と話した。

   多摩大学細胞農業研究会・事務局兼広報委員長の吉富愛望アビガイルは「自分は培養肉という食の新しいジャンルについて省庁横断組織とタテ割りの行政の両方とコミュニケーションする機会があり、横断組織がタテ割り行政を動かすきっけかになると感じていた。首相は、タテ割りの中での連携が難しかったと言うが、コロナ対策においても横断組織を活用する部分が少なかったと感じている」とコメント。

   テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「医療体制を確保できず反省しているというが、その理由をひと言でいえば、首相はコロナ危機を過小評価していた結果だということ。日本の医療体制が独自のものであることはわかっていたはず。イギリスは去年の段階でナイチンゲール病院を全国6カ所につくったが、菅首相は検査も足りなかった。GO TOを実施したが、やれば広がるのはわかっていた。これは過小評価していたから。野戦病院に至ってはいまだに作っていない。危機対応の問題を総括しているとは言えない。自民党は総裁選を機にこの1年半のコロナ対策を総括してほしい。そうじゃないと同じことを繰り返すことになる」と指摘した。

(バルバス)

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