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「判断甘かった」都内高校で85人のクラスター、玉川徹「高校より保健所の問題では」

   司会の羽鳥慎一が「都内の私立高校で感染が広がり、85人が感染するクラスターになっています」と切り出した。この高校ではきのう16日(2021年9月)までに、生徒58人、教職員27人が感染している。

   この高校では8月30日に新学期が始まり、対面授業をスタートさせたが、9月2日に生徒4人が発熱。PCR検査で3人の感染が確認され、2日間の休校が決定した。休校期間中に感染者の部活関係者など33人が検査を受け、5人の感染が確認された。

   10日に対面授業を開始し、さらに関係者58人を検査したところ、47人の感染が確認された。そのため、13日の週からはオンライン授業を開始したものの、教職員85人にPCR検査を実施したところ27人の感染が確認され、オンライン授業も中止になった。その後、生徒約400人が検査を受け、さらに3人の感染が確認された。

   学校では朝の検温、手指の消毒、マスク授業、30分授業、昼食なし、午後1時下校、部活は午後3時半までといった対策を行っていたが、自販機での飲食は可能、エアコンを稼働させていたため窓は閉めていたという。学校は「あっという間にクラスターになった。全生徒一斉登校と対面授業の判断が甘かったと感じる。クラスター発生は生徒、保護者、教職員にも正式に知らされていなかった」と認識の甘さを認めている。

  • 高校でのクラスターは防げなかったのか(写真はイメージ)
    高校でのクラスターは防げなかったのか(写真はイメージ)
  • 高校でのクラスターは防げなかったのか(写真はイメージ)

北村教授が指摘する3つの問題点

   日本医科大学の北村義浩特任教授は、「3つの点で問題があった」として、まず"休校期間が2日間だったこと"を挙げた。「濃厚接触者の隔離期間と同じ2週間単位で行うべきだった」と指摘。さらに"判断を教職員が行ったこと"として「高校の先生は感染症専門ではない。コンサルトする感染症の先生を日頃からリストアップしておくと良い」と話した。

   さらに"保護者に伝えなかったこと"を挙げ、「中高校では感染者が出ると、最初の感染者が責められたりする可能性もあると情報を隠すが、日頃から誰が感染してもおかしくないという教育を日頃から行い、どう伝えるかマニュアル化しておくべき」と指摘した。

   スポーツキャスターの長嶋一茂は「クラスターは防げたのではないか」として、「夏休み中にどんな生活をしたかわからない中、いきなり対面授業はどうだったのか。最初に3人が感染した段階で、抗原検査キットを配るなどできなかったのか。普通は即休校すべきなのに8日から休校というのはわからない」とコメント。

   バイオリニストの廣津留すみれは「抗原検査は小中学校には配られているはず。タイミング、使い方をきちんと決めておかないと。今回は良い教訓となったはず」と指摘。

   テレビ朝日解説委員の玉川徹は「学校よりも保健所の問題ではないか」と言い、「14日になって400人の生徒にPCR検査をしているが、本来は4人が発熱した時にするべきだった。ただ、保健所が認めないとPCR検査ができないようになっていることが問題で、このことは当初からずっと言い続けてきた」と語気を強める。

   北村教授は「学校現場では感染が広がると、自宅に持ち帰るなど広がりやすい。場合によっては家族も含めて濃厚接触者として検査をするとよい」と話した。

(バルバス)