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ジョニー・デップ主演「MINAMATA」きょう公開 「あさチャン!」が特集した水俣病の詳細

   公害病の原点といわれる「水俣病」をテーマにしたジョニー・デップ(58)主演の映画「MINAMATA」がきょう23日(2021年9月)、公開される。きょうの「あさチャン!」は、映画や水俣病の経緯について、たっぷり伝えた。

   水俣病は1950年代の熊本・水俣で起きた。化学工業メーカーの「チッソ」が工場排水としてメチル水銀を川や海に流したことによって魚介類が汚染され、それを食べた人々の間で手足の先のしびれや思うように体が動かせないなどの症状が現れ、死に至るケースも相次いだ。1956年に公式に確認され、現在までに2200人以上が水俣病と認定されている。番組では、モノクロの映像とともにこれらの歴史を振り返った。

   水俣病について番組が街で若者に聞いてみると、「毒が体内に回ってだっけ?正直知らなかったです」「小学校と中学校の授業で習ったくらいなので、あまり詳しくはない」という反応だった。

  • 映画「MINAMATA」公式サイトより
    映画「MINAMATA」公式サイトより
  • 映画「MINAMATA」公式サイトより

水俣に3年間住み込んで撮影した故ユージン・スミス氏

   映画「MINAMATA」でジョニー・デップが演じているのは、熊本・水俣に3年間住み込み、水俣病に苦しむ患者や家族、抗議運動の写真を撮影して世界に発信したアメリカ出身の写真家の故ユージン・スミス氏だ。ジョニー・デップは「彼の目を通して、不正、美しさ、強さのストーリーを語りました。今後このような問題について、お互いに話し合うことになることを願っている」とインタビューに答えていた。

   藤森祥平アナウンサーは、ユージン・スミス氏の元妻のアイリーン・美緒子・スミスさん(71)に取材した。アイリーンさんは「ユージンは、『その過去をもって未来に絶望しないで』と言うメッセージを一番伝えたかった。ジョニー(デップ)はユージンのことが好きで、『すごく面白い人だなと思った』と言っていました」などと話していた。

   藤森アナ「65年たった現在も、水俣病で苦しんでいる人はたくさんいます。熊本県と鹿児島県で認定を申請した人数は2万8000人を超えていますが、実際に認定された人は1割にも満たない2283人。決して終わっていない水俣病について、伝え続けていく大切さを改めて感じました」

   ここまで手厚く取り上げるのなら、水俣市で行われた映画の先行上映会の後援を、水俣市が拒否したことやその理由についても触れてほしかった。

(キャンディ)