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私だけ損してる――を吹き飛ばせ! トウコ(原田知世)が取り出したのは...

   <スナック キズツキ(テレビ東京系)> お酒を置いていない裏路地「スナック キズツキ」は、傷ついた人だけがたどり着けるちょっと変わった店。お客さんは日常でたまったストレスや「傷」を癒しに訪れると、スナックのママ、トウコ(原田知世)がお客さんと一緒ストレスを発散するという心温まるオムニバスストーリー。

   第2話(2021年11月16日未明)で訪れるお客さんは、総菜屋の店員として働く安達さん(平岩紙)。第1話でコールセンターにクレームの電話をしていたその人だ。同僚の勝手なシフト交代に振り回されたり、バスで巨漢の隣に座ってしまったり、パン屋で好きなクロワッサンを他人に譲ったり、自分だけ損しているとしょんぼりしながらトウコさんの店にふらり。

  • テレビ東京の「スナック キズツキ」番組サイトより
    テレビ東京の「スナック キズツキ」番組サイトより
  • テレビ東京の「スナック キズツキ」番組サイトより

電子鍵盤が登場

   安達さんが損しているとは思えないが、マイナスに思い込んでしまうほどストレスフルで理不尽なことが多いのが日本社会の現実。だから時々発散したり、自分を癒したりする時間が必要なのですよ。コロナ禍を経験した今、居酒屋でガブガブお酒を飲んで、必要以上に酔っ払い、カラオケで大声を出して結局終電逃してしまうような夜は前時代的なのかもしれない。お家時間が増えたいま、自分としらふで向き合って、ほんの少し積もった「負」のほこりを、ちょっとした温もりある「ふれあい」で払えることができれば、マイナス思考でなかなか抜け出せない迷い道からポンと抜け出せるのかも。

   安達さんを迎えたトウコさん(原田知世)の今夜の「いらっしゃい」も優しそう。カウンターの後に置いてある赤いカセットデッキや、100円入れて星座占いができる球体型の卓上おみくじは、あまりに昭和を強調し過ぎやしないか?と感じたけど、お店全体の雰囲気とトウコさんのイメージがぴったりで「なんだか落ち着く」スナックキズツキなのである。

   2話目の安達さんに対して、トウコさんのおもてなしが気になったが、電子鍵盤が出てきてなんとまあ楽しい店だ。

   「いつも私だけ損してる」と題した歌のごとく、ピアノに合わせて歌いだす安達さん。トウコさんと連弾で、即興の弾き語りというのもシュールだが、エピソードをそのまま節にのせた歌声はまるでミュージカル。トウコさんが奏でるマイナーなメロディは、安達さんの傷ついた表情や「すみません」と何度も謝る姿を見て音楽コードが決まったのかしらん。

   それにしてもなぜ関西弁?

   スナックメニューはやっぱり見逃せない。ごちゃまぜスープのミネストローネはビーンズが見えてとても美味しそうだった。こんな時に飲むスープはたぶん一生忘れられないはず。そうそう帰り際に安達さんに渡したポイントカードは、スナックキズツキの不思議さ満載。来週も楽しみだ。

(Y・U)