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眞子&圭に大きな拍手送りたい!あっぱれだった「結婚会見」胸を張った発言と素敵な笑顔

   けさ(10月28日)の新聞に掲載された週刊新潮、週刊文春、女性セブンの広告を小室眞子さんが見たら、小室圭と一緒に命がけで臨んだ記者会見は、事態を鎮静化させるどころか、火に油を注いでしまったと臍をかんでいることだろう。私が見たのは朝日新聞だが、3誌とも丸ごと小室眞子・圭批判のようである。

(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

   「世紀の"腰砕け会見"『小室眞子さん・圭さん』質疑拒絶の全裏側」「前代未聞の『一方通行会見』私はこう見た 河西秀哉『いわれのない物語』!? 敵か味方か『眞子さん』は国民の分断を煽った〈他〉」(新潮)

   「眞子さん小室さん『世紀の会見』全真相」「眞子さん小室さん結婚『私はこう考える』『国民の声は誹謗中傷なのか』石井妙子〈他〉」(文春)

   「小室圭さん(30)『花嫁の祖父川嶋辰彦さん(81)重体でも延期拒否』計算ずくの9分間」「小室眞子さん(30)を手ぐすねひく『ニューヨークの黒幕』」「独走スクープ 刑事告発の不正受給疑惑に新証言 小室圭さん(30)母『偽名で働いた』潜伏の軽井沢」(セブン)

   編集部の意図は写真に出る。新潮、文春ともにグラビアページの扉は、緊張を隠せない様子で佇む眞子さんの横で、小室圭がやや腰をかがめて記者席を"睥睨"し、挑むかのような"一瞬"を掲載している。2人への"敵意"があふれ出ているようだ。

   では、10月26日の記者会見はどのように行われたのかを見ていこう。会見は当初、宮内記者会だけではなく、日本雑誌協会、外国特派員協会加盟の記者も入れて、2人が冒頭で述べた後、事前に提出していた質問と、その関連質問を受けるといわれていた。私は、ずいぶん大胆なやり方だと心配していたが、案の定、前日になって加地皇嗣職大夫が記者会に突然現れ、「質問の中に誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねないものが含まれていることに強い衝撃を受けられた。そのような質問が、カメラが入り多くの人に囲まれた会場で読み上げられ、それに対して口頭でお答えになることを想像するだけで、恐怖心がよみがえるという強い不安を感じられた。以上のことから、口頭での質疑応答は不可能である」と告げたのである。この、誤った情報が何を指すのかは後程説明しよう。

眞子さんの衝撃の告白「結婚も、圭のNY留学も、義母の元婚約者への対応もすべて私からの相談と指示」

   午後2時。会見場に現れた2人は明らかに緊張していた。向かって右に眞子さん、左に小室圭が座る。圭の目が落ち着きなく左右を見回す。司会の声かけで眞子さんが話し始める。「現在、新型コロナウイルス感染症の影響が続き大変な思いをされている多くの方々にお見舞いを申し上げます」

   声は落ち着いている。「本日、皆様にお伝えしたいことがあるため、このような場を設けました」と、型どおりの、私たちはきょう結婚しましたというものではない。そんなことより大事なことがあるといいたいようだ。会場に緊張が走った。これまで世話になった人たちへの感謝の言葉が終わって、「2人の結婚についてさまざまな考えがあることは承知しております」と本題に入る。静かに見守って下さった方々や「事実に基づかない情報に惑わされず、私と圭さんを変わらず応援してくださった方々に感謝しております」とメディア批判を暗示する。

   その前に、「私にとって圭さんはかけがえのない存在です。そして私にとって結婚は自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択でした」と、2020年11月に公表した「お気持ち」の中でも強調していた結婚への強い意思を再び繰り返す。小室圭に替わって、「私は眞子さんを愛しております」と堂々と宣言する。「一度きりの人生を愛する人と共に過ごしたいと思っています」として、これまでも2人で励まし合ってきた、その上で「このたびの結婚に関してご迷惑をおかけしてしまった方には大変申し訳なく思っております」と続けた。

   眞子さんが引き取る。「これまで私が公に発言する機会は限られてきました」と話し、そのために生まれてしまった誤解もあったとして「衝撃の告白」になる。婚約に関する報道が出て以降、さまざまなことがあったが、圭が独断で動いたことはない、すべては私が考え、指示したことだというのである。

   圭の母親の元婚約者への対応も、私がお願いした方向で進めていただきました。婚約延期後、小室圭が留学したことも、もともと将来留学したいと考えていた圭に計画を前倒しにして、海外に拠点をつくってほしいと頼んだというのである。

   つまり、かなり前から、皇室を離れるためには結婚しかない、日本で暮らすのは嫌で、海外で暮らしたいと考え、小室圭は"先兵"として動いていたというのだ。どんなことをしても皇室という籠の中から飛び立ち、一人の人間として生きたいという強い思いがあったことを初めて吐露したのである。圭が独断で行動し、私の気持ちを考えていないという批判があったが、それは"誤報"だというのだ。

小室圭はメディアを痛烈批判「眞子さんは心身に不調をきたし、母も仕事を辞めざるを得ないことになった」

   ここで小室圭に再びチェンジ。母親と元婚約者との金銭トラブルといわれている事柄に触れる。詳しい経緯は本年4月に公表した通りとしたうえで、元婚約者にはこれまでも折に触れて、お礼を申し述べていると、礼は失していないといいたいようだ。解決金については、母親が精神的な不調を抱えていて、元婚約者と会うことはドクターストップがかかっているため、「解決に向けて、私ができる限り対応したい。解決金を受け取っていただきたい気持ちは変わっていない」と話す。

   元婚約者からは、代理の週刊誌の記者を通じて前向きな返事をもらっているとしている。その上で、「この数年間誤った情報が事実であるかのように扱われ、誹謗中傷が続いたことにより、眞子さんが心身に不調をきたしたことをとても悲しく思います。私の母も心身に異常をきたし仕事を辞めざるを得ない事態に追い込まれましたし、身の危険を感じながら過ごしています」

   あんたたちメディアが心ないでっち上げ報道をするから、2人は心身に傷を負ってしまったのだと痛烈に批判したのである。小室圭は「私は眞子さんと温かい家庭を築いていきたいと考えています」、「これからもできる限り眞子さんをお支えしていきたいと思います」と述べて眞子さんと交代する。

   眞子さんは、これから新しい生活を始めるが、また違う形での困難があると思うとして、「これまでもそうであったように2人で力を合わせてともに歩いていきたいと思っています」と話し、最後にこう結んだ。「これまで私たちが自分の心に忠実に進んでこられたのは、お互いの存在と、励まし応援してくださる方々の存在があったからです。いま、心を守りながら生きることに困難を感じ、傷ついている方がたくさんいらっしゃると思います。周囲の人の温かい助けや支えによって、より多くの人が心を大切に守りながら生きていける社会となることを心から願っております」

   両親への感謝の言葉はなかった。この後、事前に提出された質問に答える文書が取材陣に配られ、2人は顔を見合わせ、前を向いて一礼して戻っていった。2人の背に、記者たちからの祝福の拍手はなかった。

「誤った情報」と否定され怒り狂った週刊新潮、週刊文春、女性セブン!反「眞子&圭」のコメンテーターを総動員

   「誤った情報」とは、雑誌協会から出された「小室の母親・佳代の遺族年金不正受給疑惑」「小室圭の経歴に皇室利用と受け止められかねない事柄がある」という2点だった。私は"愚問"だと思うが、これについては文書でもはっきり「そういう事実はない」と否定している。

   だが、週刊誌は怒り狂った。週刊新潮は、10月初めに眞子さんの複雑性PTSDを公表したのは、雑誌から辛辣な質問が出ることは予想できたから、直前で質疑拒否をするための口実ではなかったかと勘繰る。さらに反眞子&圭派の識者たちを総動員して、「この騒動を通じてどれだけ皇室への敬愛が傷つけられたのかと想うと、素直にお祝いする気になれません」(皇室ジャーナリストの神田秀一)、「これまでの報道を"誤った情報"や"誹謗中傷"と非難しながら、記者からの反論のチャンスを封じてしまっている」(ハリウッド大学院大学の佐藤綾子教授)、「会見で彼が見せた笑顔は、結婚に漕ぎつけた、つまりは"自分が勝った"という意識の現れにほかなりません」(精神科医の片田珠美)

   週刊文春は両親とのねじれた関係に焦点をあてる。秋篠宮は、「結婚という意志を貫いた眞子さんと小室さんに対し、秋篠宮さまは最後には、突き放すような態度を取っておられました」(皇室担当デスク)。事前に出された質問内容を調整することもなく眞子さんに渡してしまったのは、秋篠宮が「会見は2人の責任でやるように」と突き放していたため、皇嗣職も動きようがなかったというのである。

   娘の結婚問題で、秋篠宮家への世間からの風当たりが強まったことで、母親の紀子さんは知人に、「すべて私の責任なんです......」と嗚咽を漏らしたという。眞子さんの唯一の味方である妹の佳子さんも、早く皇室から出るために結婚を考えているのではないか、女性宮家創設が現実になる前に行動に出るのではないかと推測している。

   コラムニストの矢部万紀子は、「眞子さんのご結婚から見えたのは、皇族が女性皇族を幸せにしない装置であるということ、その一点に尽きると思います」と指摘し、「『株式会社皇室』は、今でも女性は責任ある立場につけないことを前提に働くか、結婚して出ていくかの二択しかない」ブラック企業だとして、そこのエースだった眞子さんは、そうした状況を幸せと感じられなくなったのではないかと、眞子さんの決断にエールを送る。

それでも心配なNYの新婚生活――二人を利用しようとする有象無象がゴロゴロいるから気を付けて!

   一番過激なのはセブンである。紀子さんの父親である川嶋学習院大名誉教授が10月19日(2021年)、突然倒れて都内の病院に運ばれ、集中治療室に入って予断を許さない状況だったという。宮内庁内部では「結婚は延期すべきでは」という意見もあったのに、「結局、結婚は平然と行われた」と批判している。

   さらに、母親・佳代が元婚約者と事実婚の状態にあるのに、遺族年金をもらい続けていたのではないかという疑惑とは別に、長年働いてきた洋菓子店を適応障害だとして休み、傷病手当をもらっているのに、知人が経営している軽井沢の喫茶レストランで働いていたのではないかという疑惑を追及している。だが、その店の経営者はセブンに対して、「手伝ってもらったことはあるが、給料は渡していない」と答えている。これも「誤った情報が事実であるかのように扱われている」ケースではないのか。

   セブンは、小室夫妻の渡米後にサポートしてくれる「ニューヨークコミュニティー」というのがあり、そこの有力者である不動産会社経営者、旅行会社の女性経営者、弁護士などがいると報じている。その人たちは「機会があれば元皇族とお近づきになりたい、その縁を自分のビジネスに生かしたいと思う」(在米ジャーナリスト)人たちで、いずれ2人をアメリカの社交界で紹介したいと考えているのではないかというのである。

   その心配は私にもある。社会経験の少ない小室圭、まったくないといっていい眞子さんが、魔界といわれるニューヨークで、彼らを利用しようと意図している連中に誘われ、思いもかけない罠にはまらないか。本当に信頼できる人間はいるのか。

   眞子さんの会見での話から推測するに、これまでの小室圭のニューヨークでの授業料や生活費、これからマンハッタンで借りるといわれるセキュリティ万全のマンションの家賃なども、彼女が出しているように思う。もしそうなら、彼女が所持しているといわれる1億円というカネは、あっという間に消えてしまうだろう。小室圭の年収が2500万円だとしても、楽な生活はできまい。

   心配は尽きないが、2人には若さと溢れるほどの愛情がある。何とかなるさ。これから異国の地で新生活を始める2人にとって、寂しい船出にはなったが、覚悟を決めて2人が選んだ道である。私は大きな拍手で2人の前途を祝福したいと思う。(文中一部敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。