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石原氏選挙区支部にコロナ助成金 「たとえ合法でも...」、「めざまし8」が伝えた違和感

   司会の谷原章介が9日(2021年12月)、「内閣官房参与に任命されたばかりの自民党・石原伸晃元幹事長が代表を務める自民党支部がコロナの雇用調整助成金を60万円受給していたことが12月8日にわかりました。法律的には問題がないのか、国民は納得するのか、取材しました」と切り出した。

   石原氏の地元、東京・杉並区民は「ヒトとして信頼できるかというとクエスチョンマーク。お金に困っている人ではないし、落胆・失望しています」「たとえ合法だとしても説明すべきだし、利用すべきではなかった」と厳しい意見を述べる。

  • 番組サイトより
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「所管官庁に確認したうえで...」

   そもそも、雇用調整助成金とは、飲食業や観光業などコロナの影響を受けた企業が従業員の雇用を守るための制度で、事業主に対し休業手当などの一部を助成するもの。受給に当たっては、「新型コロナの影響で事業活動が縮小」「最近1カ月間の売上高などが前年同月比5%以上減少」などの条件がある。石原氏が代表を務める東京都第八選挙区支部は

   昨年4月から5月にかけて3回にわたり、合計で約60万円の助成を受けていた。厚生労働省によると「支給の対象外を設けていないため政治団体も条件を満たせば受け取ることができる」という。

   石原伸晃氏は自民党幹事長や国交相などを歴任し、10月の衆院選では比例復活もならず落選。しかし12月6日に内閣官房参与に任命され「疲弊している業界の方のために働く」と宣言していた。同支部の政治資金報告書を見ると、一昨年より去年ほうが収入が230万円増えている。同支部は「所管官庁に確認したうえで、必要な書類を添付し適正に申請し審査していただいたものと承知しております」と回答している。

   政治アナリストの大濱崎卓真氏によると「コロナの影響で2019年には開催した4月のパーティーを中止。4、5月分の収入が不足した可能性がある」という。しかし政経セミナーなどの収入で、2019年の収入は3972万円。助成金を受け取った2020年はそれが4204万円と、前年より収入は増えお金には困っているようにはみえないと大濱崎氏は指摘する。

   弁護士の橋下徹は「総額で増えたことを問題にしてはいけない。民間でも収入が減ったらそれを支えるというのが趣旨。ただ民間と違うのは、収入が増えた場合に、民間は納税という形で返すことになるが、政治団体は納税しないということ。それをわかってやっているのかが問題。もらって返さないという点では文通費と同じで、批判されてしまう」と指摘。

   社会学者の古市憲寿は「政治家は国民に『ノー!』と思われれば、次の選挙で落選してしまうが、落選した石原氏は次の選挙で『ノー!』と言われない。どのように責任を取るのかということが気になります」と話した。

   ジャーナリストの立岩陽一郎は「自民党議員は政治家個人の政治団体と支部の団体を持っている。党の支部には税金も入っており、石原氏の選挙支部には政党交付金から1300万円入っている。政治資金規正法では、それゆえに献金を受けてはいけないとなっている。だが、石原氏の支部はそのうえで助成金を受けていた。前例がないから違法ではないだけで、違法じゃないと居直るのは違うと思う」と指摘した。

   谷原は「この番組の調査では、石原さん以外の政治団体で助成金を申請した団体はなかったということです」と補足した。

(バルバス)