令和の世にアニメで蘇った「平家物語」、大河と見比べると...

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「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」

   ご存知、平家の壮絶な運命を描いた「平家物語」が800年の時を超え、令和の世にアニメとしてよみがえった。

  • フジテレビ「平家物語」公式サイトより
    フジテレビ「平家物語」公式サイトより
  • フジテレビ「平家物語」公式サイトより

素晴らしい座組 壮大な歴史物語が身近に

   とにかく座組が素晴らしい。制作は「映像研には手を出すな!」「夜明け告げるルーのうた」のサイエンスSARU。監督には「けいおん!」シリーズ、「たまこまーけっと」、映画「聲の形」の山田尚子監督。京都アニメーションを離れて初の監督作品だ。そして、脚本は山田監督とともに「けいおん!」を作り上げた吉田玲子。作品キャラクター原案は「るきさん」「黄色い本」の高野文子。どこか懐かしい画風が雅びやかな平安の時代によく似合う。

   原作は古川日出男訳「平家物語」。平安末期の京都。栄華を極める平家一門にあって、父・清盛の野心を危うく感じていた長男・重盛(声・櫻井孝宏)。ある夜、重盛邸に、父を平家の武士に殺された琵琶法師の少女・びわ(が忍び込み、平家の滅亡を予言。自身も亡者が見える左目を持つ重盛は、未来が見える右目を持つびわを迎え入れ、ともに暮らすことに......。

   びわというオリジナルキャラクターを主役に配することで、壮大な歴史物語が身近なものになる。びわを通じて、平徳子(声・早見沙織)ら歴史上の人物が同じ人間で悩み苦しみ涙し、もがきながら生きてきたということが伝わる。生命を感じるドラマだ。

   ちょうど、NHK大河では源氏を描いた「鎌倉殿の13人」を放送しており、貴族社会から武家社会へ。同じ時代を平家と源氏の両方から描いた作品を見られるのはなんとも贅沢なことだ。

   平清盛(声・玄田哲章)は、大河では松平健が、後白河法皇(声・千葉繁)は、西田敏行が演じていたなあと、見比べるのも楽しい。1月13日(2022年)未明から水曜深夜枠で始まった。

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