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ロシア国営放送「軍が住民に食料配布」映像も 羽鳥慎一「民間人を攻撃し、民間人を利用」

   ロシア軍によるウクライナ侵攻開始から3週間以上が経過したが、ロシア軍の戦い方や発信する情報に変化が見え始めている。こうした動きの狙いはいったい何なのか。今日21日(2022年3月)の「モーニングショー」では専門家に詳しく話を聞いた。

   市街戦に突入したウクライナ南部の都市、マリウポリでは市民ら400人が避難する美術学校や、1000人が避難する劇場が爆撃され、多数の死傷者が出ている可能性があるという。しかし、ロシア側は「マリウポリ市内の地上攻撃を含む軍事任務を一切行っていない」と攻撃を否定。民間人を装って脱走を図った戦闘員を殺害と攻撃対象はあくまでも戦闘員としている。

チェチェンやシリアで起きたこと

   ウクライナ政府は北部の大都市、ハリコフを攻撃するロシア軍兵士の通話を傍受したとする音声を公開したが、そこには「全員殺せといわれた。市民も子どもも誰でも全員殺せ」という会話が。

   高橋杉雄(防衛省防衛研究所)「ロシア側は有利な停戦条件をのませることが基本。ウクライナ社会経済を破壊し続けて、ウクライナ政府に破壊を止めるためにロシア側の条件を受け入れてもいいと思わせる。民間人を攻撃する必要があるので、美術館も劇場も避難民がいるから攻撃された可能性が高い」

   駒木明義(朝日新聞論説委員)「意図的に民間人を標的として相手の心をくじく。ロシア軍はチェチェンやシリアでも同じような作戦を行ってきた」

   その一方で、数千人の住民がロシア側に連れ去れられたり、強制的にロシアに避難させられたりしているという情報も流れている。

   高橋杉雄「ウクライナ東南部の市民がロシア軍を歓迎しているという動画をとりたいという可能性がある」

   駒木明義「ロシア国内向けに『今やっていることは正しい。ウクライナの普通の人からは感謝している』という構図を作りたい」

   ロシア側の発表も変化している。3月10日に公開された映像には空港制圧の様子や進軍する戦車が映し出されていた。しかし、18日のロシア国営テレビでは、「この街に住む人はロシア軍が親切だとわかっています」と、ロシア軍がウクライナ住民に食料を配布する映像を放送している。

   司会の羽鳥慎一「民間人を攻撃し、民間人を利用している」

   石原良純(気象予報士・タレント)「短期的には通用しても、長いスパンでみたときに隠しきれなくなるということはないんですか」

   高橋杉雄「そこまで考える余裕がないのではないか。とりあえず明日明後日のことを考えていく」

   石原良純「プーチンにはチェチェンの成功体験があるんじゃないか。僕ら西側はチェチェンやシリアにそれほど興味を持たなかった」

   高橋杉雄「このままこう着状態が続いて、関心が下がっていけば(チェチェンやシリアと同じになる)可能性はある」

(みっちゃん)