2024年 4月 20日 (土)

<今週のワイドショー> 誤送金問題のすったもんだを振り返る

   山口・阿武町の誤送金問題は、なんとも複雑なおカネの流れになってきました。町にはもう返ってこないと言われていたのが、急展開。実は代理人弁護士らが水面下でいろいろ動いて、4630万円の約9割が町に返ってきたのです。

   今週(2022年5月23日~)の(J-CAST)ワイドショー通信簿の記事で流れを追ってみると、まず23日に、3590万円が戻ったというニュースが報じられました。逮捕された田口翔容疑者(24)は3つのカジノ決済代行業者に送金していて、そのうち最も送金額の大きかったA社から全額が町の口座に振り込まれた、というものでした。

  • 誤送金問題の行方に注目が集まった(写真はイメージ)
    誤送金問題の行方に注目が集まった(写真はイメージ)
  • 誤送金問題の行方に注目が集まった(写真はイメージ)

町長会見で分かったこと

   「誤送金、『業者が3590万円返還』のナゼ 『全額使用はウソ』説VS『業者が自主補填』派」(24日、テレビ朝日系「モーニングショー」)では、田口容疑者が「全部使った」と言っていたカネはどこから返されたのか、この時はまだ町が詳細を説明していなかったので、ITジャーナリストや弁護士らが推測した内容を取り上げています。

   それが、花田憲彦町長らの24日の会見で、戻ってきたのは代行業者3社からの計4299万円で、そこに到る経緯が明らかにされました。「安住紳一郎『代理人の腕がいいのかも』 税金滞納と金融庁への無届けを盾に差し押さえ」(25日、TBS系「THE TIME,」)で取り上げた、安住アナの説明が分かりやすいです。

   鍵となったのが、税金を延滞している人の口座を差し押さえることのできる「国税徴収法・地方税法」と、「犯罪収益移転防止法」という2つの法律だったとあります。田口容疑者が税金を滞納していたため、町がそれらの法律を盾に3社に口座差し押さえと取り立てを迫ったというのです。

   また、「『なぜか満額払ってきた』決済代行業者 玉川徹『国税も興味もつ』」(25日、テレビ朝日系「モーニングショー」)で取り上げた、町の代理人を務める中山修身弁護士の説明が興味深いです。

   「(先週木曜=19日)職員が東京に出張して、3社事務所に、差し押さえと取り立て命令の紙を置いて帰った。取り立て命令を出したら、彼らがなぜか満額払ってきた」とあります。行政でできる手続きを、町がしぶとく進めていたことが分かります。

   代行業者が税金滞納分だけでなく、なぜ全額を戻してきたのかは不明です。ITジャーナリストの三上洋さんは「捜査が入るとオンラインカジノの決済が止まる。とりあえず払っておけとなったんじゃないか」とコメントした、とあります。

   戻ってきたことは歓迎すべきかもしれませんが、浮き彫りとなった町のチェック体制の不備や、決済代行業者を介して大金をかけた賭博が何の規制もなく行われている問題は、残ったままです。

(コムギ)

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