安倍氏銃撃めぐる「スナイパー小屋」デマ騒動 「スッキリ」陣が呼びかけた注意点

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   奈良市で安倍晋三元首相が銃撃された事件では、殺人の疑いで山上徹也容疑者が逮捕・送検されている。しかし、この事件で真犯人が別にいるという悪質なデマ情報がネットで拡散される騒ぎが起きているとして、今日23日(2022年8月)の「スッキリ」は情報を検証するとともに専門家に話を聞いた。誰が何のためにデマ情報を投稿し、なぜ拡散してしまうのか――。

   番組によると、デマ情報の拡散が始まったのは先週火曜の8月16日頃から。事件当日のニュース映像を使って「事件当日のビル屋上に白いテントがある」と指摘する動画が投稿された。テントは3時間後になくなっていたが、情報サイトがこの動画を引用し、「スナイパー小屋が事件後3時間で撤去されている」と情報を掲載。ここから安倍元首相が狙撃されたのではないかというデマが広まった。

  • 複数メディアでの確認を(写真はイメージ)
    複数メディアでの確認を(写真はイメージ)
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加藤浩次「わかっているのに面白そうだと広げる。悪意の部分も相当ある」

   ネット上では否定的な反応が多かったが、「見つけた人はすごい」「興味深い」「他に真犯人がいるのか」などと拡散する人も。その中にはSNSで多くのフォロワーを持つタレントもいた。

   現在、動画は削除され、情報サイトの記事も「誤りと判明」と修正されている。「スッキリ」は動画投稿者や情報サイトに取材申し込んだが、現在のところ回答はない。

   白いテントは何だったのか。ビルの管理会社に取材すると、ビルの排煙ダクト清掃のために業者が設置したもので、その日のうちに撤去されたという。屋上は普段は施錠されていて、一般の人は入ることができない。事件に関して警察からの問い合わせなども一切なかった。動画についてはビルに対する誹謗中傷や名誉毀損にあたると考えていて、誰に対してどういった法的手段を取ることができるか弁護士と相談しているという。

   デマ情報はなぜ拡散するのか。国際大学グローバルコミュニケーションセンターの山口真一准教授は「デマの数が増えているのは間違いない」と語る。さらに、拡散の背景には「自分だけが真実を知った」「その知識を誰かに見せたい」「安心を得たい、優越感にひたりたい」などのほか、「信じたい情報を信じる。自分に都合のいい情報ばかりを集めてしまう」という認知バイアスという心理現象も影響しているという。

   司会の加藤浩次「スッキリで『これはデマですよ』とVTR作っても、それでも嘘だという人もいる。YouTuberなどが言い出しているものは、再生回数稼ぐためだったりする」

   ロバート・キャンベル(日本文学研究者)「ケネディー暗殺のとき、もう一人いるという話が広まったが、FBI、カストロ、KGBなど不安が拡大した。(携帯の)5Gとコロナが関わっているデマなどはテクノロジーに対する不安。5Gとコロナは関係ないことは立証できるが、そうじゃないといっても、シンプルにヒット数を稼ぎたいとなると止まらない」

   加藤浩次「わかっているのに面白そうだと広げる。悪意の部分も相当ある」

   ヒロミ(タレント)「その人にしてみるとそれが真実になってるから、言い合いになっても『お前は騙されている』と話にならない。説明するのは難しい」

   下川美奈(日本テレビ報道局)「信じ込んで拡散する人もいるが、何も考えないで広げている人がすごく多い。広げた先の人が『そうなんだ』と信じて悪循環を生む」

   加藤浩次「お金儲けよう、自分の思想を広げようなど、いろんな考え方でデマを広めている人がいるということをわかっていないといけない」

   デマ情報への対応については、専門家によると「複数メディアで確認する」「近い人の情報も鵜呑みにしない」「真偽のわからないものは拡散しない」などが重要だという。

(みっちゃん)

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