<1年前のワイドショー>岸田文雄内閣が誕生したのは、ちょうど1年前の昨(2021)年10月4日でした。現在(22年)は、国葬や旧統一教会問題で支持率が急落していますが、当時のワイドショーはどう取り上げていたのでしょうか。
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「みちょぱ『国民の声を一番に聞いてほしいな』 岸田新総裁に注文」(21年9月30日、日テレ系「スッキリ」)は、発足を直前にひかえた新政権に何を望むか、街の声を紹介しています。ただ、「だれかもわかっていない。薄い顔の人? ワクチンの人(河野太郎氏)なら知ってる」という20代女性会社員や、「主人と河野さんだといいねと話していた」と語る30代女性もいたとあり、印象が薄かったようです。
「菅さんとそんなに変わりなさそう」
「小学生が岸田新総裁を鋭く分析 『あさチャン!』が伝えた冷静な声」(同30日日、TBS系)にある、都内の小学生たちの反応が面白いです。「真顔のときやしゃべっているときは話しかけづらそう」(4年女子)、「菅さんとそんなに変わりなさそう。雰囲気が似ていたから」(3年女子)。それに交じって「外国との絆は活きると思う」(6年男子)、「僕が言うのもおこがましいんですけど、意志が強いというイメージもあるので任せられます」と、大人顔負けの意見もあったといいます。
同じ記事にある海外の反応は、米ニューヨーク・タイムズが「世論を無視する形で、不人気の菅首相との違いがほとんどない岸田氏を選出した」、韓国の聯合ニュースは「凍りついた両国関係に画期的な変化を期待することは難しい」、仏経済紙レゼコーも「党重鎮による政治的戦略の結果だ」などと軒並み辛らつでした。
ロシアのタス通信は「酒好きの保守派」との見出しで、「穏健で歩み寄る姿勢から党内に敵はいないが、カリスマ性がなく、有権者の人気はあまりない」と報じたそうです。
「安住アナの『宏池会』解説 岸田首相誕生と権力闘争の関係」(同年10月5日、TBS系「THE TIME,」)では、所属派閥「宏池会」について「お公家集団といわれ、権力闘争が苦手なタイプ」とTBS政治部キャップが解説。得意なのは経済政策で、新内閣は新しい資本主義のビジョンを策定するとしている、とありますが、政治評論家の伊藤惇夫氏は「インパクトがない。新鮮でも薄味内閣」と評した、ともあります。
発足当初の支持率は、朝日新聞45%、NHK49%、読売新聞56%と各社50%前後でした。今(22)年5月に59%(朝日新聞)にまで上がりましたが、9月には41%(同)と過去最低となり、不支持の方が47%と高くなっています。毎日新聞の9月調査では支持率が3割を割り込みました。
安倍・元首相の国葬を終え、10月3日から臨時国会が召集されています。2年目に入った岸田内閣。山積する政策課題にどう取り組んでいくのか、正念場を迎えます。
(コムギ)