ヤクルトの村上宗隆選手(22)が3日(2022年10月)、56号本塁打を放ちました。日本選手として王貞治選手と並ぶシーズン最多55号を打ってから14試合、61打席ぶり。待ちに待って、シーズン最終戦の最終打席という、後のない劇的な場面でした。「三冠王」も獲得し、落合博満氏が持つ28歳の「最年少」三冠王記録も塗り替えました。
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「村上56号 安住紳一郎アナの一言に『スタジオから笑い』のワケ」(4日、TBS系「THE TIME,」)には、ホームランボールをキャッチした14歳の少年の談話もありました。「ご飯を買いに外野に行って見ていたら、ボールが飛んできて捕ることができた」そうで、超ラッキーですね。
三冠王との関係
球団スポンサーのオープンハウスは、本塁打新記録で贈る予定だった1億円ハウスを、「3冠王」にちなんで3億円ハウスに変更したそうです。MCの安住紳一郎アナは対戦相手の横浜ベイスターズのファンだと前振りしてニュースを伝えていました。
「56号村上選手の『打法のヒミツ』 中学時代の『屋根破壊』との関係」(4日、日テレ系「スッキリ」)は、「村神打法」の秘密は、故郷熊本県で中学時代に指導された「左中間打ち」にあったと伝えています。王選手が記録した55本のうち49本がライトスタンドに飛んでいますが、同じ左打者の村上選手は56本のうちセンターに13本、レフトに18本を放っており、それが記録への道だったとあります。
中学時代の練習グラウンドはライト側が85メートルと狭く、村上選手の場外ホームランが隣の家の屋根を壊していたといいます。チーム監督の吉本幸夫さんは「左中間に強い打球を打ちなさい」とよく言っていたとあり、その練習の効果が出たのでしょう。
「ヤクルト村上、シーズン最終打席で56号 玉川徹『人間としてすごいと思う』」(4日、テレビ朝日系「モーニングショー」)で、「三冠王とホームラン新記録には相反するベクトルがあった」という長嶋一茂さんのコメントは、長いですが、参考になります。
村上選手と打率を競っていた中日の大島選手は、2日(10月)に全日程を終えて打率が確定していました。村上選手が3日の最終戦で、もし3打席凡退していたら打率が下がるため、高津監督は三冠王を取らせるために第4打席に立たせていなかった、といいます。しかし村上選手は2打席目にヒットを打ったため、その懸念が消え、4打席目という本塁打を打てる最後のチャンスが回ってきたのです。
前日の対阪神戦で村上選手を一日休ませたのも三冠王のため、という監督の狙いがあったとしても、最後の打席で本塁打を打つかどうかは村上選手次第。その崖っぷちのチャンスに、村上選手は吹っ切れたように初球を思いきりスイングしました。改めて、すごいドラマだったと思います。
一茂さんが「野球の神様のはからいだと思う」と言ったのも、分かる気がしました。
(コムギ)