自民党総裁選に立候補していた小泉進次郎氏の陣営が、動画配信サービスのコメント欄にポジティブな書き込み内容を指示していたとする問題で、選挙プランナーの松田馨氏が運営する株式会社ダイアログが2025年10月14日に声明を発表。コメント例文を作成したのは自社社員だと発表した。
「牧島氏の名誉が毀損され、誤解が広がっている」
「週刊文春」が報じたこの問題を同誌は見出しで「卑劣ステマ」とも表現している。小泉氏の陣営は事実関係を認めて謝罪し、広報班長を務めていた牧島かれん氏は9月26日に班長を辞任していた。
株式会社ダイアログが14日に公開した「自民党総裁選に関する週刊誌報道について」という文書では、報道によって「牧島氏の名誉が毀損され、誤解が広がっている」とし、「社内調査を行ったところ、当該コメントの例文案を作成したのは、当社の従業員であることを確認いたしました」と発表した。
その上で、「したがいまして今回の総裁選の動画配信に関し、牧島氏がコメント例を作成しその投稿を主導したかのように受け取れる記事の記載は、事実と異なります」と、コメントを作成したのは牧島氏ではないと説明した。
「コメント例文案に一部行き過ぎた表現が含まれていた」
同社は「当社の従業員が作成したコメント例文案に一部行き過ぎた表現が含まれていた」とし、「結果としてそのコメント例文の各事務所宛への送付を担当された牧島氏や牧島事務所のスタッフの方をはじめ、関係者の皆さまにご心配とご迷惑をおかけしましたこと、また国民の皆さまに疑念を抱かせてしまったことに対し、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。
なお、今回の問題が「ステマ」と指摘されていることについては、政治家が動画配信サービスに出演にあたり、「支援者に対して応援コメントを呼びかけること自体は、通常の選挙運動においても広く行われているものです」と説明。「報酬を受け取る広告であることを隠した『ステマ』に該当するものではなく、これを『ステマ』と報道することは、誤った印象を与えかねないものであると言わざるをえません」とした。
さらに「当社は、我が国のために働こうとする政治家の皆さまに対する尊敬に基づき、その志を支えることを使命としてきました」と主張した一方、「にもかかわらず、当社の従業員が作成した例文案に、他の候補者を貶める意図はなかったとはいえ、そう受け取られかねない表現が含まれていたことは事実であり、痛恨の極みであります」とコメントした。
最後には、「責任はすべて代表である私にあり、本件に対するご批判を真摯に受け止め、重ねてお詫び申し上げます」と再び謝罪。「再発防止策を徹底し、信頼回復に向け誠心誠意取り組んでまいります」とつづっていた。
しかし、このコメントにネット上からは、「牧島かれん議員が関与してステマにGOサイン出した事実は変わらないけどね」「だからといって、牧島かれん氏や小泉進次郎氏に責任が無いわけじゃない」「作成したのが業者でも送信したのは牧島かれんだろ」という厳しい声も集まっていた。