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クールビズでも「ネクタイは死なず」

   クールビズのせいで、ネクタイの売り上げは落ちるばかり。そんなイメージを抱く人は多いはずだが、実際はちょっと違う。ビジネスマン向けに「ネクタイを外さないスタイル」を提案する百貨店も出てきて、「ネクタイは死なず」なのだ。

   クールビズが推進されてからも全くネクタイの売り上げが落ちない店舗もある。伊勢丹新宿店のメンズ館は、ネクタイの売り上げがこれまでとほとんど変わらなかった店舗のひとつ。ニットや麻の素材のネクタイを用意しているが、そもそも同店ではクールビズを提唱した販売はしていない。「ネクタイを外すとお洒落から遠ざかるイメージがあるのではないか。ネクタイをしてかっこよくという意識があるからこそ売り上げが落ちないのだと思う」(広報)と、いまでもビジネスマンの根強いネクタイへの愛着を説明する。

お洒落の意識が高いひとは、ネクタイを外そうとしない

ビジネスマンは、ネクタイにかなりの愛着を持っている
ビジネスマンは、ネクタイにかなりの愛着を持っている

    銀座の老舗の洋品店・田屋JINビジネスニュースの取材に対して、「お洒落の意識が高いひとは、クールビズでネクタイを外そうとは思わないのではないか」と答えた。同店でも、ネクタイの売り上げにクールビズの影響は全くなかった。「ネクタイは文化人の象徴みたいなもので、日本にはそういった文化が根付いている」(同店)。
    ネクタイを外すと様にならない、接客もできないという意識は今でも日本男性には根強い。クールビズに媚びない商法が、かえってネクタイを外そうとしないビジネスマンを逃さなかったようだ。

各百貨店とも「ネクタイを外さないスタイル」へ戦略を移行

   ネクタイが05年に不調だった百貨店も、06年は各百貨店とも「ネクタイを外さないスタイル」へ戦略を移行している。高島屋日本橋店では、ネクタイの売り上げが、2005年の「クールビズ騒動」で、前年比で20%ほど落ち込んだ時期もあった。今年も昨年の売り上げを割っているものの、「とんとんといった印象」で、去年ほどの打撃を受けている様子はない。
   三越日本橋店も、「去年はネクタイを外すカジュアルなスタイルを提案していたが、今年はビジネスとしてのスタイルを提案している」(広報)という。三越ではネクタイをする代わりに、夏に合わせて、素材に工夫したジャケットやネクタイなどを提案している。