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ホンダの二足歩行ロボット 「頭から落下」、会場が凍りついた瞬間

   「ユーチューブ」などの動画共有サイトにアップロードされた「面白動画」が話題を呼んでいるが、今度は、二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」の思わぬ失敗の様子がアップロードされ、ネット上で注目を集めている。

   「思わぬ失敗」をしてしまったのは、本田技研工業が開発した人間型二足歩行ロボット、ASIMOだ。00年に初めて発表されたASIMOは、02年には、ロボットとしては初めてニューヨーク証券取引所(NYSE)の取引開始のベルを鳴らす様子が広く紹介され、世界中で有名になった。さらに、04年末には歩くだけではなく走れるようになったり、05年末には飲み物を載せたトレーを運んだりできるようになるなど、着実に「成長」を続けてきた。

パフォーマンスを階段で披露しようとしたのだが

落下した後もしゃべり続けるASIMOが痛々しい
落下した後もしゃべり続けるASIMOが痛々しい

   そんな中、動画共有サイト「グーグルビデオ」にアップロードされたASIMOの動画に、注目が集まっている。12月8日にアップロードされた1分35秒の動画で、「ASIMOがとんでもないことにwww」というタイトルがついている。閲覧数は12月13日17時現在で、約31万7,000だ。

   この動画では、どこかのステージでASIMOがパフォーマンスを披露する様子が映っている。司会者がASIMOの説明をしている間、ASIMOは、ステージ中央から、ステージの奧にある階段に向けて歩き出す。歩いている間、こんな解説が続く。

「実は人間は、さまざまなバランスを足で取って歩いているのです。だから、ロボットにとっては、とても難しいことなのです。その2本の足で歩く、ということを、世界で初めて実現したロボット。それは、ASIMOなのです」

   そして、ASIMO自身も

「今、わたしは、足の裏のセンサーで階段を確認し、細かくバランスを…」

   と話しながら、階段を上り始める。そして、4歩目を踏み出そうとした時に、右ひざがガクンと曲がってバランスを崩す。ASIMOはそのまま頭から地上に転落し、「ガチャーン」という乾いた音が会場中に響き渡る。客席からは「ああーっ!」という驚きの声。それでもASIMOが「みなさん、気づいていないでしょうけど…」と、なにやら説明を続けているのが痛々しい。

「ステージを中止とさせていただきます」のアナウンス

   間髪入れずに照明が暗くなり、スタッフが、ついたてを持ってきて、倒れたASIMOを隠す。そして、場内にはこんなアナウンスが流れるのだ。

「ご見学中のお客様に申し上げます。ただいま、ロボットが転倒したため、ステージを中止とさせていただきます」

   この対応の素早さに、ネット上では「こういう事故は、実はよく起こっているのではないか」という声もささやかれる。J-CASTニュースでは、ホンダ広報部に聞いてみた。

「その(動画の)件については、ちょっと承知していません。細かいトラブルぐらいは起こるかも知れませんが、通常はスペアを用意してあって、1台で(イベントに)臨むことはありませんので、基本的には中止、ということはありません」

   とのことで、今回の動画のような事故については、想定外、という認識のようだ。
   映像の痛々しさに、「2ちゃんねる」のニュース速報板では、こんな声が飛び交っている。

「このこけ方は人間でも痛い」
「会場にいた子ども達の夢を見事に打ち砕いたASIMO」
「こけながらも冷静にしゃべるASIMOの姿に泣いた」
「やっぱ人型のものがバタッと倒れたりすると何か凄く嫌な気持ちになるな」

   やはり、子ども達も2ちゃんねらーも、「元気に歩くASIMOが見たい」という点では変わらないのかも知れない。