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「ぬれ煎餅」の銚子電鉄 今度はCD買って!!

   厳しい経営状況が続いている銚子電鉄が、テーマソングのCDをオンラインショップで販売する。経営存続をかけて発売し、爆発的な人気を博した「ぬれ煎餅」に次いで、 "二匹目のどじょう"を狙っている。応援ソングのタイトルは「朝が始まる」。歌っているのは、地元・千葉県で活動しているMURATA BANDなる4人組だ。

   きっかけは、銚電を経営難から救おうと「ぬれ煎餅」のネット販売を始めた同社の税理士・竹本勝紀氏とバンドメンバーが知り合いだったこと。「社員の士気を高めるために、歌をつくったらどうか」という話になった。竹本税理士によると、MURATA BANDは、かつてはプロを目指していて、音楽評論家の渋谷陽一氏をうならせたほどの腕前。平均年齢41歳で、いまはサラリーマンなどで暮らしを立てている。そんな彼らのオリジナル曲『朝が始まる』に竹本税理士が共感し、原曲ベースに応援歌としてアレンジした。

何度でも聞きたくなる『朝が始まる』

銚子電鉄、今度はテーマソングのCDを発売
銚子電鉄、今度はテーマソングのCDを発売

   銚電オンラインショップのホームページにあるCDコーナーを覘くと、「銚電テーマソング『朝が始まる』・・・なぜか何度でも聞きたくなる・・・」とアピール。J-CASTニュースの取材に、竹本税理士は「わたしも好きな曲なんですよ。感情が入りやすいので、聴いた人が勇気づけられます。『ぬれ煎餅』と同じ、平べったくて、まあるいモノと思い、CD 化を決めました」と話し、全国の鉄道ファンや銚電の支援者に購入を呼びかけている。

   1枚1050円(消費税込み、送料別)。プロの歌手だって売り上げが伸びない昨今にあって、CDの販売目標はなんと100万枚。ミリオンセラーを目指すというから驚きだが、「100万枚は、われわれの意気込みと受け取ってください」と銚電社員は語る。
   半面、煎餅ならば、おいしければリピーターもいるが、CDでは、多くは1枚買ってしまえばそれでおしまいだから、目標達成はなかなか難しい。

「デキちゃんはトコトコはしる」も今月末にリリース

   「実は今月末には、もう一枚リリースするんです」と税理士。現在、「朝が始まる」とともに販売している「デキちゃんはトコトコはしる」(525円・消費税込み)を、サウンドクリエーターで作詞・作曲を手がけた、みらあじゅ氏の協力を得て3分のロングバージョンとして発売する。カップリング曲の「外川に春がやってくる」は地元・千葉大学の女子学生が歌入れに参加する予定で、こちらはエンヤを思わせる壮大で透明感のある曲調となるという。

   「朝が始まる」「デキ・トコ」とあわせて、多い日は1日100枚の注文がある。「ありがたいことに、デキ・トコはまとめ買いする人もいます」と竹本税理士。
   売れ筋の「ぬれ煎餅」は生産が追いつかず発送作業が遅れているほどで、販売を中断している。CDはその穴を埋めるためだが、銚電存続のためには欠かせない。