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「オレも裸、オマエも裸になれ」 セクハラ調教師HP大炎上

   名古屋競馬の女性騎手・山本茜さん(24)が、07年5月まで所属していた厩舎の男性調教師(48)からセクハラを受けたとし、約550万円の損害賠償を求める訴訟を起こしていたことが分かった。男性調教師は、茜さんに突然抱きついたり、厩舎にある自分の住居に呼び出し、全裸になり「おれはお前に全部を見せることができる」などと話し、「お前も包み隠さずに見せてみろ」と服を脱ぐよう命令したのだという。男性調教師厩舎のホームページは非難のカキコミが集中し大炎上している。

「全裸になったのは事実」と認める

山本茜さんのブログでは、今回の訴訟は触れられていない
山本茜さんのブログでは、今回の訴訟は触れられていない

   茜さんは03年6月にこの調教師に弟子入り。05年10月にプロデビューした。師弟という二人三脚で歩み勝利を重ね、06年3月には日本の女性騎手としてはデビュー最短で通算30勝を達成。07年3月7日にはこれまた最短で通算100勝を達成した名騎手である。

   07年10月21日付けのサンケイスポーツによると、茜さんは、「お前も包み隠さずに見せてみろ」などの要求を拒み続けたことで07年5月にクビになり、別の厩舎に移籍。精神的被害を受けたとして07年9月中旬に名古屋地裁に提訴した。

   この男性調教師は、多くの報道機関に「全裸になったのは事実」と認めている。しかし、

「当時は2人きりだったが、セクハラではない。性的な意味はなかった」

と主張。そして、茜さんは初弟子であり、

「あの子はダイヤの原石。磨けば光ると思ってやってきた」

と悔しそうに語った、とサンスポは報じている。

   この報道が出た後、男性調教師厩舎のホームページにあるブログのコメント欄が大炎上。07年10月22日現在、ホームページ自体は閉鎖されていないが、コメントの削除に追われている。カキコんだ人達はこんな意見を述べていた。

「調教は、馬にするもんだろ」
「これ以上競馬に対してマイナスのイメージ植えつけるなよ。死ね」
「性的な意味の前に職権を利用して脱がせたらその時点で犯罪。このおっさんわかってんのかね」

「あくまで仕事の一環としての行動」

   この男性調教師は、セクハラで訴訟されたことについて、あくまで仕事の一環の行動とし07年10月26日からの裁判で明らかにすると説明しているが、裸になる「訓練」など、そもそも存在するのか。競馬に詳しいジャーナリストはJ-CASTニュースの取材に対し、

「競馬の師弟関係は相当厳しい体育会系です。だから『裸になれ!』のようなものは無いわけではないかもしれませんが、相手は女性です。地方競馬界に騎手は三百数十人いるわけですが、女性騎手は10人程度。女性騎手の扱いに慣れていないからといって、行き過ぎはよくありませんね」

と話した。

   愛知県競馬組合は騎手の訓練についてどんな見解なのか。同組合はJ-CASTニュースに対し、

「体を触って筋肉の付き方を調べたり、裸にして筋肉の流れを見ることもありますが、一切体に触れずに教えることも可能で、結局は調教師のやり方はそれぞれなんです。今回の件については報道が先行していて、実際に何があったのかまだつかめていない状況なんです」

などと答え、裁判を見守りたいとしている。