J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

試用期間中に「関西転勤」 これって「辞めろ」ってこと?

   Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のfu--yanさんは、関東地方の会社に勤める新人サラリーマン。入社3か月を過ぎて、正式採用かと思いきや「もう少し様子を見たい」と試用期間を3か月延長されてしまいました。

   そんな矢先、会社から関西地方への転勤命令が下されました。質問者さんは「おそらく自己都合退職に持っていくための辞令だろう」と理解しています。確かに自分でも、能力不足を感じているところがあるようです。

回答者「行って仕事をすればいいだけ」

試用期間なのに転勤って!?
試用期間なのに転勤って!?

   しかし、たった4か月で辞めれば、次の就職先探しに不利になるおそれがあります。貯金もほとんどなく、経済的に非常に厳しくなるでしょう。

   そこで、自己都合退職ではなく会社に解雇してもらうことを考えました。会社都合なら失業手当がすぐにもらえるので、当面の転職活動もラクになります。今回の転勤命令を拒否すれば、会社は自分を解雇してくれるのではないか――。

   これには関西在住の回答者から、「関東の方にとって、『関西へ転勤』は懲罰ですか?」と呆れたコメントが寄せられています。

   欧米では幹部が海外法人に駐在する場合を除き、転勤はほとんどなく、現地で人が必要になれば現地で調達するのが一般的だそうです。

   一方、全国展開をしている日本企業で、転勤は珍しくありません。終身雇用を背景に、社員にさまざまな経験を積ませる意味もあるでしょう。数年単位で人を動かすことで、社内不正を防止するねらいもあります。

   回答者からも、転勤命令には応じることを勧める意見が相次いでいます。

「どうして転勤=辞める図式なんですかね。転勤できない理由があるんですか?行って仕事をすればいいだけのことでしょう」(saltmaxさん)
「『関西でも頑張るぞ!』という風にはならないんですかね?」(110-660さん)

専門家「正式採用してから命ずるべき」

   この転勤命令は左遷なのか、退職勧奨なのか…。日頃の働きぶりや、上司の伝え方などのニュアンスが分からないと、いちがいには言えませんが、質問者さんの勘違いもあるのかもしれません。関西転勤の経験者であるitou2618さんも、

「後で振り返ってみるとよい経験になります。もう少し気楽に考えて、人生の勉強だと思って転勤を受け入れましょう」

とアドバイスしています。会社の命令に逆らっても、質問者さんの思い通りにものごとが進まないおそれもあります。Debumoriさんは「なんて事考えるんですか!バカタレ!!」と、解雇ねらいの転勤拒否を諌めています。

「転勤を拒否したり、会社を無断欠勤すれば、会社はあなたを解雇してくれるでしょうが、『懲戒解雇』になる可能性が高いです。失業保険がすぐに貰えないどころか、あなたの将来に暗い影を残すかもしれないのです」

   そして、辞めようと思えばいつでも辞められるので、「新しい可能性を信じて、新天地でがんばってみてはどうでしょうか?」と転勤を勧めています。ただし専門家からは、試用期間中の転勤はやりすぎだという意見も。社会保険労務士の野崎大輔氏は、

「引っ越しはその人の日常生活を根本から変えてしまうことですから、もし会社が転勤を命じたければ、きちんと正式採用してからにすべきと思いますね」

とコメントしています。