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「まあ、それくらいならいいけど。OK」に目がキランッ 「ロー・ボール」テクのすごさとは

   前回のパート3「相手に『すまない気持ち』を抱かせる」に続き、今回はジェイ・キャストのビジネス電子本『心を読んでビジネスに勝つ』のパート4「乗っていい話のように誘導する」の冒頭部分を紹介する。

(第1節)ロー・ボールを投げる

   ロー・ボール・テクニックは、最初は相手の受け止めやすい球(ロー・ボール)を投げて、とにかく要請を受けさせてしまう。その後で、本当に投げたかった球を投げ込んで、心理の盲点を突くのだ。頼みごと自体は変わらないが、予想外の事態により、相手にとって得とはいえない要求をのませてしまうのである。
(第2節)本当にお得?
   デパートなどのセールや、スーパーなどのタイム・サービスは、ロー・ボール・テクニックに近いものだと考えてよい。セールで買った洋服が、2、3回洗濯しただけでボロボロになってしまう。しかし、セールで買ったものだから、お金は損をしていないと思ってしまう。実際には品質が悪く、得をしているということはないのだ。

(第3節)登り始めた木は下りたくない

   人は、いったんよじのぼった木から下りることには、ためらいを感じるものだ。それはすでに自分の行ったことが間違いであったと認めることへの恥や悔しさ、一からやり直すことが面倒、などからきている。このまま木を登っていけば自分にとって不利な条件になることは分かっていても、なかなか後戻りができない。

(第4節)チャルディーニたちの実験
   大学生に電話をかけ「心理学の実験に参加してくれないか」と頼んだ。ほとんどの学生はOKと答えたが、これがロー・ボールだった。OKの返事をもらうとすかさず「では、水曜か金曜の朝7時に実験室に来てください」という。朝7時は学生にはつらい時間だ。しかし、初めにOKを出した学生の56%はOKせざるを得なかった。

   (第5節以下、パート4の続きは電子書籍で。次回はパート5)

<J-CAST BOOK電子ビジネス本『心を読んでビジネスに勝つ』2013年Kindle版から>