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「育児は母親の役割」と言い放つ上司 働く「子育てパパ」へ嫌がらせ

   男性が育休を取得するなど育児に携わることを、職場の上司や同僚らが侵害するような言動をすることを、「パタニティ・ハラスメント(パタハラ)」と呼ぶ。今、少なからぬ男性が「パタハラ」に悩まされているらしい。

   日本労働組合総連合会(連合)が実施した「パタニティ・ハラスメント(パタハラ)」に関する調査の結果によると、子供がいる525人の男性のうち、「職場でパタハラをされた経験がある」と回答した人は11.6%だった。

「誰にも相談せずあきらめた」が6割超

働く親は大変
働く親は大変

   具体的な例は「子育てのための制度利用を認めてもらえなかった」(5.5%)、「子育てのために制度利用を申請したら、上司に『育児は母親の役割』『育休をとればキャリアに傷がつく』などと言われた」(3.8%)、「子育てのための制度利用をしたら、嫌がらせをされた」(1.9%)が挙がっている。

   また「周囲でパタハラにあった人がいる」は10.8%だった。

   パタハラ経験者がパタハラを受けた際にとった対応は、「だれにも相談せず、子育てのための制度の利用をあきらめた」が最多で65.6%。「社外の友人に相談した」(13.1%)、「家族に相談した」(11.5%)と続き、「労働組合に相談した」(6.6%)、「社外の労働相談や公的機関などに相談した」(1.6%)と、改善のため積極的に動いた人もわずかながらいるようだ。

   職場で「パタハラ」が起こる原因は何だと思うかという質問では、「上司や同僚の理解不足・協力不足」(57.3%)、「会社の支援制度の設計や運用の徹底不足」(45.4%)、「性別役割分担意識」(44.1%)が上位となった(14年1月23日、公表。20~59歳の男性1000人を対象にインターネットを通じて実施)。

「共働きなんだから俺が休まないといけない時も・・・」

   「パタハラ経験者が約12%」というこの調査結果を、日本経済新聞があらためて紹介(2016年1月26日)すると、ネット上でにわかに話題に。

   ツイッターでは、

「これはあるな... 大体40代で独身か50代以上の上司が該当。子供の熱で有休とると『はぁ!?』っていう態度。共働きなんだから俺が休まないといけない時もあるんだよ!」
「夫の会社もそうかな...。嫁が体調わるかろうが何だろうが知ったこっちゃねーよって言う社長だし。退社時間後に会議なんて当たり前すぎて疑問に思った事無かった...。確かに変だよね」

など、自身にふりかかった「パタハラ」の実例が寄せられている。

   一方で、

「逆パタハラならたまにあってるが。『お子さん小さいのに飲んでて大丈夫ですか?』『そろそろ帰った方がいいですよ』など」

と、理解があり過ぎる(?)職場の報告もみられた。

「夫の育休ノーサンキュー」な女性も

   「パタハラ」はけしからん、という声が圧倒的に多く見つかるが、中には

「家のことで仕事を疎かにされたら、現場に実害があるんだってば。実害が」

とぶっちゃけた意見も。

   また、過去には女性からも、

「私の場合だけど、あの頃の旦那が家に居ても役にたたなかっただろうし、何もしないくせに家に居られてもストレスが加速するだけだったろうから、男性の育児休暇?んんんノーサンキュー!!!」
「今度、ダンナの部署の男性が育児休暇取るのに、全部うちのダンナに仕事が回るらしくて、そのおかげでうちのダンナは自分の子供と遊べないし、休日出勤で私に負担かかるって聞かされて、さすがに舌打ちしたわ・・・」

と、ネガティブな声が投稿されていた。(MM)