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教育が若者の可能性を伸ばす 新天地での新たな挑戦にゾクゾク(ライフネット生命・出口治明)

   じつは先日、講演のため、東京都内のある中高一貫校を訪ね、そこで主に中学2年生の皆さんに議論してもらったのですが、出てきた答えは想像をはるかに超えるすばらしいものでした。

   たとえば、「AIが進出してきて、今後人間の仕事を脅かすかもしれないがそれについて、ワクワクする? 不安に思う? どっち?」と議論してもらいました。すると......

  • 未来へ駆け上がれ!
    未来へ駆け上がれ!
  • 未来へ駆け上がれ!

人はわからない世界だと、「不安半分、ワクワク半分」

   生徒からの答えは、「不安半分、ワクワクが半分」ということでした。

   その理由を聞くと、「AIが出てくる世界がどうなるか、まったくわからない。わからない世界では、人は不安が半分、ワクワクが半分なんです」という回答でした。

   正直、この答えには驚きました。こんな答えは、大人でも簡単には出てこないと思いますよ。立派な答えだと思いました。

   立命館アジア太平洋大学(APU)の学長という、未知の世界へのチャレンジを控えて、まさに僕自身の心境も「心配半分、ワクワク半分」なのです。ひと言でいえばゾクゾクしています。

   また、「チャレンジって何ですか?」と聞くと、「やりたいことを辞めないことです」とハッキリ答え、さらに将来の目標を聞くと、「起業して社長になること」と語ってくれた女子生徒もいました。

   僕を含めて、同行した大人たちは、生徒たちのこうした答えに感心することしきりでした。

   この学校では、ディスカッションや議論の時間をたくさん取り入れていて、校長先生を筆頭に、先生方はひたすら生徒たちの考える力を伸ばしていくことに注力しているとのことでしたので、教え方によって子どもの可能性は無限なのだということを改めて実感しました。

大学経営という新たな挑戦に向かって

   2018年から立命館アジア太平洋大学(APU)で、「学長」という新しいミッションに取り組むにあたって、僕は「教育という新たな世界で、もう一度チャレンジする機会を与えられたのだから、がんばるしかない」という思いに満たされ、ゾクゾクしています。

   ライフネット生命の立ち上げから10年間、一緒にやってきた仲間と別れるのは寂しいことですが、その経験を活かして、新たなチャレンジに邁進したいと思います。

   APUの教員や職員、学生の皆さんがどのような大学にしていこうとしているのか? 何を望んでいるのか? をよく聞いて、大分・別府の方々とも連携しながら、充実した教育と研究ができるような環境を整え、世界におけるAPUの地位を目に見える形で上げていきたいと思っています。

   まずはロンドン駐在以来使っていない、APUの公用語である「英語」をブラシュアップすることから始めなくてはならないと思っています。

   これからも、ツイッターやFacebookはやっていきますので、僕の今後の活動はそちらでチェックしてください!

   それでは、またお会いしましょう!(出口治明 おわり)