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大阪万博2025にIR誘致で活気づく近畿圏 マンション市場が好調

   2025年の開催が決定した大阪万博や統合型リゾート(IR)の誘致で、大阪をはじめとした近畿圏のマンション市場が活気づいてきた。

   不動産経済研究所の「2018年の近畿圏マンション市場動向」によると、2018年(1月から12月)に近畿圏で新規供給されたマンション戸数は、前年比7.1%増の2万958戸だった。なかでも、大阪市に本社を構えるプレサンスコーポレーションは、同研究所が2019年2月20日に発表した「2018年 全国マンション市場動向」の事業主別マンション供給戸数ランキングで、近畿圏で9年連続1位、全国では住友不動産に次ぐ2位に躍進した。

  • キャプション 「大阪万博2025」効果、ベイエリアにマンションが立ち並ぶかも?(写真はイメージ)
    キャプション 「大阪万博2025」効果、ベイエリアにマンションが立ち並ぶかも?(写真はイメージ)
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契約率70%を堅持 供給戸数支える

   2025年の大阪万博や統合型リゾート(IR)の誘致などの拠点となる大阪ベイエリアをはじめ、近畿圏の街は今後数年のうちに大きく変わろうとしている。利便性が高まり住みやすさが増していくことが期待される。

   不動産経済研究所によると、2018年(1月から12月)に近畿圏で新規供給されたマンション戸数は、前年比7.1%増の2万958戸。エリア別でみると、大阪市部は2.7%減の9222戸だったが、大阪府下(大阪市部を除く)が28.9%増の4660戸、神戸市部が41.1%増の2465戸、兵庫県下(神戸市部を除く)が8.9%増の2087戸、京都市部が4.7%増の1277戸と、増加が目立った。

   1戸当たりの平均分譲価格は、前年比0.2%上昇して3844万円となり、2年ぶりに前年を上回った。エリア別では、大阪市部は3552万円で0.4%の下落。大阪府下(大阪市部を除く)が4118万円で4.7%上昇、神戸市部が3855万円で6.3%下落、兵庫県下(神戸市部を除く)が4421万円で2.3%上昇、京都市部が3814万円で12.9%下落となった。

   ただ、月間契約率は平均で74.5%となり、2017年の76.1%から1.6ポイント下落したものの、好不調の目安とされる70%を上回っている。

プレサンス、近畿圏や中京圏で存在感

   そうしたなか、プレサンスは近畿圏で4133戸を供給。2位の日本エスリード(2401戸)の2倍以上引き離して9年連続1位。東海・中京圏でも、1019戸で7年連続の1位となった。また全国でも、1位の住友不動産(7377戸)と3位の野村不動産(5224戸)に、割って入る2位(5267戸)となった。

   同社は1997年の創業以来、関西を中心に各地へと事業を展開する。ここ5年間で、売上高が約3倍に急成長。「お客様の視点に立ったプラン提案やアフターサービスへの継続的な取り組みが、信頼を築き、近畿圏や東海・中京圏での実績につながった」とみている。

   2025年の大阪万博は、近畿圏のマンション市場の大きな起爆剤になる可能性がある。不動産経済研究所では、2019年も2万戸の供給戸数を予測。企画調査部・主任研究員の松田忠司氏は、「大阪万博の効果はすぐには現れてきませんが、ベイエリアを中心に交通インフラが整備され、街が形成されてくると一気に勢いづく可能性があります」と指摘。大阪市部で高止まり感がある分譲価格も、マンション供給が中心部から周辺へと移っていく中で「横バイ~値下りで推移するでしょう」とみている。

   一方、首都圏マンションの供給戸数は、2020年に迫った東京五輪・パラリンピックの影響で増えている(2018年は前年比3.4%増の3万7132戸)ものの、分譲価格の高止まりで、売れ行きを示す初月契約率が振るわない。2018年平均は62.1%(前年比6.0ポイント下落)と、過去10年間でもっとも低かった。