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メール偽造 主犯は誰なのか

   「送金指示メール」について民主党の永田寿康衆院議員が2006年3月2日、再度記者会見し、「偽」だったことを認め、謝罪したにもかかわらず、この問題を国会で取り上げた民主党に対する批判はやむ気配がない。偽造したのは一体だれなのか。詳しい経過を民主党が明らかにしない限り党の明日はない。

好意か金銭目的かそれとも謀略か

「捏造メール問題」をめぐる民主党批判は止みそうもない
「捏造メール問題」をめぐる民主党批判は止みそうもない

   記者会見で「提供者、仲介者との怪しい関係はないか」と質問された永田議員は「本当に単なる友人関係。彼との付き合いの中で、ちまたで言われている金品並びに有形無形の便宜供与は一切ない」と金銭的やりとりの存在を否定した。
   しかし、常識的に考えると疑問が残る。情報を仲介したとされるフリー記者N氏の狙いだ。動機として挙げられるのは、(1)好意、友情(2)金銭(3)謀略、ワナ、など。N氏と永田議員が親しかったのは事実だ。仮に(1)だとすると、なぜ偽メールを渡したのか。騒動になった時点で、表に出て、永田議員を擁護してもおかしくない。
   (3)の場合、民主党を貶めようとした謀略なのか。もしそうだとすると狙いは何なのか。

永田議員の自作自演説は可能性薄い

   自民党の平沢議員はテレビ番組で再三、「(カネの)ほかに情報を流す理由が見つからない。永田議員はフリー記者から情報をカネで買った疑いが強い」と発言している。
   さらに、捏造の経緯について、独自の調査からこう見ている。

N氏は堀江前社長から武部幹事長に渡ったカネがあるに違いないと信じ込んだ。それで、知り合いのライブドア関係者に資料を出してほしい、と強引に頼み込んだ。しかし、ネタは見つからず困り果てた情報提供者は、メールを偽造しN氏に渡した。

   一方、独自の調査を続けている民主党の河村たかし議員は、3月3日のテレビ番組で、「N氏が偽造した、または偽造を指示した疑いがある。情報提供者とされるライブドア関係者は存在しない可能性が高い」と発言している。また、金銭のやり取りについては、明確なコメントを避けた。
   ネット上では、一部で永田議員の自作自演説が唱えられているが、その可能性は薄いようだ。
   いずれにせよ、N氏がキーパーソンで、彼が経緯を明らかにすればすぐ解決する問題だ。
   読売新聞3日付けの紙面で報じた世論調査によると、「民主党の責任のとり方 納得できぬ」が70パーセントに上っている。
   民主党の鳩山幹事長は3日昼の両院議員総会で、「永田議員にメールを仲介した記者に何らかの法的措置をとることも考えなければならない」と述べた。また、前原代表も「名前の公表も含めて検討する」と語った。