J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

ハウスダスト除去新製品続々登場

   花粉、カビ、ダニの死骸などのハウスダスト。それによるアレルギー症状で苦しむ人が増える中、ハウスダストを除去する家電が市場を賑わしている。空気清浄機に頼るのではなく、清浄機能が付いた家電が続々登場しているのが特徴だ。それが掃除機にまで広がっている。

高機能望むファミリー層が増える

松下電器が発売した微細塵まで検知する掃除機「MC-P600」
松下電器が発売した微細塵まで検知する掃除機「MC-P600」

   松下電器は「世界で初めて」約20μm(マイクロメートル)の微細塵まで検知する「ハウスダスト発見センサー」を搭載した掃除機を2006年5月1日発売する。通常の掃除では取り残すようなハウスダストを吸引し、6年前のセンサーなし同社掃除機に比べ、集塵量を約2倍に高めた。新開発の「逃がさんパック」は、従来に比べて厚さが約5倍の立体3重構造の不織布を採用。捕塵性を約10倍に高めて、0.5μm(マイクロメートル)以上のハウスダストも約99.9%逃がさないという。店頭価格は6万5千円前後とさすがに値が張るが「高所得者向けではなく、高機能を待ち望んでいるファミリー層が増えている」(ナショナルアプライアンスマーケティング本部)と話す。
   ハウスダストを除去する紙パック使用のハイパワー掃除機の需要は急速に伸びている。2003年時点で全体の3%に過ぎなかったが、年々伸び続け06年は30%になると予想している。

日本の除去技術が、将来海外で歓迎される

   ハウスダスト対策でいち早く動いたのがエアコンだ。シャープは00年から全ての商品に除菌イオン機能を付けた。6畳~8畳用の標準タイプでも価格は20万円前後だが売れ行きは好調だ。日本の多くの家屋は部屋が狭く空気が篭り洗濯物を室内に干したりする。夫婦共働きも多く、昼は換気ができない締め切った状態。帰宅した時に空気の悪さが気になる。
   「日本人は清潔好きで、そこに健康ブームと花粉症が来たため、除菌イオン仕様の需要が予測できた。今後は、日本メーカーの進んだハウスダスト除去技術が、海外のマーケットでも歓迎されるだろう」(シャープ広報)としている。
   ハウスダスト対策の除菌イオン機能は、ガスファンヒーターにまで付加されるようになった。東京ガスでは昨シーズンに初めて製品化し、売れ行きがこの秋冬で30%も増加した。「アレルゲンを減らしたいという顧客の要望が強かった。来シーズンはさらに売れていくのではないか」(東京ガスコーポレートコミュニケーション室)と予想する。花粉症などのアレルギーが日本の“国民病”とまで言われる昨今、これからも家電メーカーが提供する付加価値として「健康」にポイントが当たるのは間違いなさそうだ。